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森保ジャパンに異変「CBにケガ人続出」“E-1組から抜擢”荒木隼人と安藤智哉に注目したい“これだけの理由”「W杯本番で勝ち進むためには…」
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戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/08/31 11:06
既存の主力メンバーに加えて、「E-1組」から複数の選手を抜擢した森保一監督
荒木隼人と安藤智哉の存在が重要な理由
来年6月開幕の北中米W杯までに、ケガ人が漏れなく戦列に復帰すれば、DFラインに不安はなくなる。ただ、選手のケガばかりはコントロールできない。バックアップ層は厚くしておくべきだ。
森保一監督は28日の記者会見で、「(メキシコ戦とアメリカ戦で)メンバーは大幅に変えていきたい」と語った。ターンオーバーの直接的な理由は、メキシコ戦から中2日でアメリカ戦が組まれているからだが、「より多くの選手に厳しい戦いを経験してもらうことが、チームの成長にとって必要だと思っている」とも話している。
北中米W杯は、出場国がこれまでの32から48に増える。グループステージのフォーマットはこれまでと同じ4か国による総当たりだが、ノックアウトステージは16か国ではなく32か国からとなる。ベスト16入りするには、大会4試合目を勝ち切らないといけない。ベスト8入りするには、大会5試合目で勝ち切らないといけない。試合間隔は組合せにもよるが、中3日が続くパターンもある。
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しかも、史上もっともコンパクトだったカタールW杯と異なり、今回は国内で時差のあるアメリカを中心とした3か国による共同開催だ。選手を使い分け、疲労を分散させることは、上位進出の必要条件となる。スタメンはもちろんバックアップ層にも、あらかじめ経験を積ませておくべきである。
そう考えると、荒木と安藤の招集は、チームの可能性を拡げるためのアプローチと言うことができる。極東のチーム相手に一定の評価を得た彼らが、FIFAランキングがトップ15以内のメキシコやアメリカを相手にどれだけできるのか。森保監督が言う「最強のチーム」を作るためには、必要なシミュレーションと言える。
14年のブラジルW杯でレギュラーのCBを務めた森重真人は、13年7月の東アジアカップ(現在のE-1選手権)で国際Aマッチデビューを飾り、そこからスタメンに定着していった。W杯予選突破後のチームをさらに底上げする意味でも、荒木や安藤のような存在は必要だと言える。

