“熱心すぎるファンクラブ”までいた千葉の盟主が20年甲子園から遠ざかり…「あの江川卓に勝利」「篠塚利夫を擁して優勝」した公立校・銚子商高の今 

「千葉選手団の団長が習志野の校長先生で、国体が始まる前に銚子商にきて『習志野は2、3年後に甲子園で必ず優勝します』と言って帰られました。これから国体へ向かう時に、激励じゃないんですよ（笑）」

　習志野の執念は、本当にその2年後、実を結ぶことになる。1967年夏の甲子園、エース石井好博が千葉に初めて深紅の大優勝旗をもたらした。

2年連続で千葉県勢が甲子園制覇

　これに黙っている銚子商ではない。1974年夏に悲願の全国制覇を達成し、1965年の準優勝時と同様、千葉県庁から行われたパレードの熱狂ぶりは半端ではなかった。そして習志野が翌1975年に2度目の頂点と、千葉県勢が2年連続で日本一を達成した。

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　同じ都道府県の異なる2校による連続優勝は、兵庫（1919年神戸一中、20年関西学院中）、神奈川（1970年東海大相模、71年桐蔭学園）、大阪（2018年大阪桐蔭、2019年履正社）を含め過去4例のみ。千葉は2強を中心に「野球王国」としての地位を不動のものとした。

1974年、悲願の甲子園優勝を果たして胴上げされる斉藤一之監督　©JIJI PRESS

今夏のライバル対決は……

　その偉業から半世紀の節目となる今夏。両雄は千葉大会3回戦で相まみえた。千葉県総合スポーツセンター野球場には、伝統校同士の黄金カードを一目見ようと多くのオールドファンが集結。試合はAシードの習志野に対し、ノーシードの銚子商が防戦一方となり、0対6で完敗。2005年夏以来となる甲子園出場の夢は2年生以下に託された。

　かつて千葉の盟主として君臨してきた銚子商は、なぜ20年間も聖地から遠ざかっているのだろうか——。

〈つづく〉