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メジャー10勝目の菅野智之「トレード確実→オリオールズ残留をどう受け止めたか」35歳が初めて明かした胸の内と来季去就の“意外な第1希望”

posted2025/08/15 11:10

 
メジャー10勝目の菅野智之「トレード確実→オリオールズ残留をどう受け止めたか」35歳が初めて明かした胸の内と来季去就の“意外な第1希望”<Number Web> photograph by Yuki Yamada

オリオールズ残留でシーズン終盤を戦う心境を明かした菅野

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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Yuki Yamada

 メジャー移籍1年目で10勝目を挙げたオリオールズの菅野智之投手。35歳の挑戦の日々と、オリオールズに残留しシーズン終盤を戦う胸の内を明かした。〈全2回の後編/前編も公開中です〉

 質の高い投球内容。低迷するチーム状況。プレーオフを争うチームに求められ、トレード移籍することは確実かに思われた。5月末までは――。

 しかし、夏の訪れとともにその心境は変わっていた。7月31日のトレード期限の日を、菅野智之は心穏やかに迎えていた。

「率直に言うと別に僕は本当に何も思ってなかったです。成績が良くなかったから、トレードはないだろうなって、客観的に思っていましたね」

冷静に見ていた「自分の商品価値」

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 6月3日時点で5勝3敗、防御率3.04の好成績。オリオールズへの愛着はありながらも、一方で8月から新天地で投げる心構えも少なからずあった。だが、7月21日の時点で防御率は4.54に悪化していた。トレード市場で菅野の価値は低下。自らの商品価値は冷静に判断できていた。

「いち野球選手としては、もしかしたらトレードされる未来の方が、箔がつくだろうし、プレーオフに出るようなチームから必要とされるなら、それ以上に光栄なことはないはず。まあ、悔しさに似た感情は、もちろんないわけじゃない。でも、こうなった以上はもうね、このチームになんとかいいものを残すためにやるしかない」

 トレードを巡る「売り手」と「買い手」という考え方は日本球界にはない文化だ。下位チームは今季を諦め、来季以降を見据えた「再建モード」に入る。チームが今ではなく、将来に舵を切るその瞬間を菅野は、オリオールズに残留する立場で経験した。

【次ページ】 「このチームのリーダは誰なのか…」

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