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「ちょっとダメかもしれない…」オリオールズ菅野智之が語る「野球人生で初めて絶望を感じた出来事」“日本で伝えられない”メジャー1年目奮闘の舞台裏

posted2025/08/15 11:09

 
「ちょっとダメかもしれない…」オリオールズ菅野智之が語る「野球人生で初めて絶望を感じた出来事」“日本で伝えられない”メジャー1年目奮闘の舞台裏<Number Web> photograph by Getty Images

シーズン中も試行錯誤を重ねてさらに進化する

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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 メジャー移籍1年目で奮闘を続けるオリオールズの菅野智之投手。35歳の挑戦の日々と、オリオールズに残留しシーズン終盤を戦う胸の内を明かした。〈全2回の前編/後編を読む〉

 メジャー1年目の開幕は好調だった。低迷するチームを支えるようにオリオールズの菅野智之は、奮闘した。だからこそ、この調子が続けば夏以降にプレーオフ争いをするチームに求められ、トレード移籍する。それが確実視されていた。

 しかし、6月から打ち込まれる試合が続く。6月は5登板のうち3登板で5イニングを投げ切れず、降板。6月27日のレイズ戦では、6勝目を挙げるものの、3本塁打を浴びるなど5回9安打7失点と炎上した。

絶望を感じた瞬間

 そして、投手人生で絶望を感じた瞬間があった。それは後半戦初先発の7月21日、敵地クリーブンランドでのガーディアンズ戦だった。

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「本当に顔の高さぐらいのフォーシームを右中間にフェン直(フェンス直撃)されたんです。ポーン、って。正直、その時にちょっとダメかもしれないな、って。野球人生で初めて、思っちゃいましたね。ショックでしたね」

 1回、ホセ・ラミレスに20号3ランを打たれた直後。左打者のDH、カイル・マンザードに外角高め、94マイル(151.3km)を痛打された。アウトコースに踏み込まれ、フルスイング。

「完全にバットを立ててカーン!みたいな感じで。ちょっと待てよって」

 メジャー2年目、25歳の4番打者はインコースを警戒することなく、アウトコースを狙い、強打した。中地区特有の蒸し暑い気候。菅野は汗をしたたらせ、自信を失いかけていた。

初めて見せた“自己主張”

 両打ちを含め、9人全員が左打者。菅野の配球傾向を研究したからこそのメンバー構成だった。3回2/3を投げ6安打4失点(自責点3)でマウンドを降りた。

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