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甲子園の風BACK NUMBER
「夏の甲子園、公立校の優勝はもう無理?」18年前から優勝ゼロ…“史上最少6校のみ”低迷する公立校の本音「佐賀北も練習時間が激減した」「部活全体が縮小」
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/08/15 11:09
2007年夏に優勝した佐賀北。この“がばい旋風”以降、公立校は優勝していない
〈昨年度より月火が7限、水木金6限だったのが月火水木が7限、金が6限と変更になり放課後の練習時間が大幅に減少した〉
――「練習時間が減るから勘弁してください」。そんな監督の声が聞こえてくるようでした。
「……そうですね。正直すこし(その思いは)ありました。でもまあ、与えられた環境でやるしかないんで」
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佐賀北の監督、本村祥次(31歳)が苦笑いを浮かべる。
「うちは進学校なので勉強もしっかりやらないといけない。学校生活、勉強、野球のメリハリですね。平日は短時間しか練習できないので一つひとつのプレーに対する集中とか質。そこは私立さんよりこだわっているところではあります」
佐賀の公立校は野球推薦で6人まで選手を獲得できる。とはいえ「学力は必要」と本村は言う。長崎や福岡といった九州の近隣出身者もいるが、ほとんどが地元出身だ。ベンチ入りメンバーも20人中19人が佐賀の中学校を出ている。
「公立高校でやりたいという気持ちで選手たちは来てくれている。だから選手は、ビハインドを感じてないと思います。選んだところで精力を尽くしてやるだけなので」
――それでも、うらやましいと思うものを挙げるとすれば?
「練習時間です。そこをしっかり取れている高校はうらやましいです」
佐賀北は8月9日、青藍泰斗(栃木)を下した。「今年の冬から低めの見逃しを徹底して行ってきた」(本村監督)。序盤で際どい球を見極め、相手投手のテンポを崩す。試合はタイブレークに入って10回裏、佐賀北がスクイズで勝敗を決した。5-4。佐賀北はひとつの事実を全国に示した。7限が週4日あっても、甲子園で勝てる。
「部活全体が縮小」「ウチは朝練もしていません」
「練習時間はたしかに取れなくなってきてます。コロナ禍以降、働き方改革も相まって県立高校はいろいろ制限がありまして……」
公立校監督で最後のひとり、県立岐阜商の監督、藤井潤作(53歳)は言った。その素朴な語り口から、至って普通の「公立の先生」といった印象を受ける。

