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豊橋中央で話題…じつは東邦に“違う高校”も友情応援を依頼していた「金足農業は農業学科ある学校に」「沖縄尚学は?」甲子園アルプス応援のウラ側

posted2025/08/16 06:00

 
豊橋中央で話題…じつは東邦に“違う高校”も友情応援を依頼していた「金足農業は農業学科ある学校に」「沖縄尚学は?」甲子園アルプス応援のウラ側<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

甲子園の沖縄代表・沖縄尚学を応援する市立尼崎吹奏楽部

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梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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Yukiko Umetsu

今夏の甲子園で話題を呼んでいる友情応援。そもそも、どのようにして成立しているのだろうか。出場49校すべてのアルプスを取材した記者が現地で聞いた。【全2回の1回目/第2回も公開中】

 今夏の甲子園大会、広陵の辞退など暗いニュースが続くなか、高校生らしい爽やかな風を吹かせてくれたものがある。友情応援だ。「自分の学校に吹奏楽部がない」「吹奏楽部はあるが、コンクールや演奏会と重なって甲子園に行けない」「吹奏楽部の人数が少なくて、応援が成り立たない」などの事情で他校吹奏楽部が代わって応援する。

東邦と豊橋中央“当日の様子”

 こんな光景があった。大会6日目、豊橋中央(愛知)の試合に、県大会決勝で敗れた東邦のマーチングバンド部が友情応援に駆けつけ、東邦の名物応援『戦闘開始』の豊橋中央バージョンや、猪木の顔まねで有名になったエース・高橋大喜地の打席では、萩本将光監督たってのリクエストで、アントニオ猪木のテーマ『炎のファイター』を「1、2、3、ダー!」という掛け声とともに演奏。豊橋中央の高倉嘉男校長は「昔から『尾張と三河は仲が悪い』と言われますが、ここは心をひとつにして愛知のためにともにがんばろうではありませんか」と、応援に駆けつけた東邦の榊直樹理事長と並んで観戦。アルプススタンドから選手たちにエールを送っていた。

 全49校のアルプスを取材するなかで、ほかにも次の友情応援を見た。

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創成館(長崎)/九州文化学園高吹奏楽部
宮崎商(宮崎)/大阪精華高吹奏楽部OB・OG
金足農業(秋田)/兵庫県立有馬高吹奏楽部
沖縄尚学(沖縄)/尼崎市立尼崎高吹奏楽部
津田学園(三重)/近隣中学校3校(光陵、明正、東員)の吹奏楽部
青藍泰斗(栃木)/奈良学園大マーチングバンド部
東海大熊本星翔(熊本)/東海大大阪仰星高吹奏楽部
綾羽(滋賀)/近江高吹奏楽部
東大阪大柏原(大阪)/東大阪大敬愛、城東工科、大阪電気通信大学高、大阪商業大学高吹奏楽部
未来富山(富山)/新川高、魚津高、魚津工吹奏楽部
京都国際(京都)/京都産業大学附属高吹奏楽部
松商学園(長野)/京都外大西高吹奏楽部

「金足農は農業学科のある高校に依頼」

 そもそも、友情応援とはどのようにして依頼し、成立しているのだろうか。今夏の出場校のうち数例を紹介する。

【次ページ】 “知り合いの知り合い”が応援も…

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