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高野連会長は「対処しようがなかった」…広陵高の甲子園“出場辞退”問題 報道陣100人超「異例の3連続会見」で感じた“SNS時代の高校野球”のリアル
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byJIJI PRESS
posted2025/08/11 07:30
甲子園でも史上初となる「大会開幕後の不祥事による出場辞退」を余儀なくされた広島・広陵高の中井哲之監督
広陵の出場辞退を決断した理由について、SNSなどでの誹謗中傷が大会運営に大きな影響を与えてしまうこと。そして、一般生徒が登下校の際に危険な目に遭う可能性があり、実際に学校の爆破予告もあったという。生徒や教職員、地域の安全を確保することを最優先とした上での判断だった。
これらの経緯から、同校は前日の9日夜に緊急理事会を開き出場辞退を決めた。
チームは10日午前に広島に戻った
理事には中井も名を連ねるが、決議には参加しなかった。チームには学校側から連絡し、部長の中井惇一から選手たちに伝えられた。10日の午前中に宿舎を離れ、広島に帰ったという。
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例年、甲子園期間中は自分たちの意思でスマートフォンを持ち込んでおらず、騒動を把握できぬまま甲子園を去ることとなってしまった選手たちのケアの徹底も約束した。
そして中井の去就について、現時点では監督を辞職させず、当面の間は指導を控えてもらうこととなっている。
そしてこの30分弱の会見以降――長い高校野球の歴史の中で、史上初めてとなってしまった「開幕後の不祥事による出場辞退」による運営側の動揺を体現したかのように、矢継ぎ早に事態は動き出していく。
<次回へつづく>

