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甲子園スタンドから「かえれ~」の声も、拍手にかき消され…暴力事案で揺れる広陵高 選手は「動揺は特になかったです」 現地で感じた“SNSとの温度差”
posted2025/08/08 17:00
1回戦で旭川志峯に3-1で勝利した広島の広陵。試合前から紛糾していた暴力事件問題の影響からか、勝利後には監督・選手に目には涙も
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph by
Sankei Shimbun
連日盛り上がりを見せる夏の甲子園。一方で、フィールド外の出来事で喧しいのが広島・広陵高を巡る一連の暴力事案に関する報道だ。初戦を迎えた同校は、果たしてどんな状況だったのか。現地取材の記者がその様子をルポする。《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
表情が硬い。
旭川志峯(北北海道)との夏の甲子園初戦は、5回まで1-1の同点と膠着状態が続いていた。ベンチで指揮を執る広陵(広島)の中井哲之監督は、自分を戒めるように強張った表情筋を手で伸ばしたり、引っ張ったりしてほぐしている。
「『今日はとにかくリラックスして、笑顔でやろう』と言っていたにもかかわらず、なんか自分たちの野球がしきれんかったですね。生徒に失礼なことをしたなと」
「渦中」の広陵が初戦を突破
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監督が自我を取り戻す。6回に1点を勝ち越すと、7回にも1点を追加。エースの堀田昂佑も3安打10奪三振と安定感あるピッチングを披露し、広陵が3-1で勝利した。
中井が自分の表情が硬かったことを説明した内容に、おそらく他意はない。

