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“テレビに映らない”大谷翔平「帰って顔を見るだけで幸せ」パパの柔らかな笑顔…「ショウヘイのサイン絶対欲しい」名守護神は番記者に球宴で熱弁 

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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photograph byGene Wang - Capture At Media/Getty Images

posted2025/08/08 11:05

“テレビに映らない”大谷翔平「帰って顔を見るだけで幸せ」パパの柔らかな笑顔…「ショウヘイのサイン絶対欲しい」名守護神は番記者に球宴で熱弁<Number Web> photograph by Gene Wang - Capture At Media/Getty Images

オールスター前日会見、記者の質問に応じる大谷翔平

「家に帰って顔を見るだけでうれしいし、それだけで一日やってきた疲れとかもなくなる。それが一番幸せだなと思う」

 遠征時は直接育児に携われないが、本拠地開催時は“全力投球”で参加。二刀流完全復活を目指すメジャー8年目は、愛娘を含めた家族の存在が日々の活力になっているのだろう。大谷は計16分10秒、28の質問に答えた。私が聞いた育児に関することなどプライベートな質問を含めてどんな質問にも真摯に答え続けた。改めて感謝を伝えたい。

球宴出場選手が本音で語る“オオタニ評”

 前述したように会見はまたとない取材チャンスだった。大谷の会見を終えると、同僚の記者とともに「スポニチ取材班」としての企画取材に脳内をすぐに切り替えた。特に2度目の右肘手術からリハビリ登板を経ずに球数を制限したメジャー登板を重ねていく前例のないスタイルを歩む大谷について、選手や首脳陣にアンケートを行った。

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 ブレーブスのブライアン・スニトカー監督は「私がロバーツ監督の立場でも同じことをする。マイナーで調整させる必要は全くない。実戦練習しただけで、ほとんどの選手より上。将来殿堂入りする選手なんだから」と全面支持の姿勢を見せた。通算227セーブを挙げてきたアストロズの守護神ジョシュ・ヘイダーも「打撃で必要とされている。1、2イニング投げてもらってチームを勝たせることができれば十分」と理解を示した。

 前半戦は9イニングを投げ、1失点10奪三振で防御率1.00と、結果を残していることもあり、肯定的な意見が占めた。マイナーでの試運転なしのぶっつけ復帰は、もちろん簡単なことではない。同じ手術の経験者であるタイガースの右腕ケーシー・マイズが「彼がやっていることは、とてつもなく難しいこと。相手と戦いながら、自分の課題に取り組まないといけない」と目を丸くした。球界の常識を壊し続けてきたが、今回の復帰過程でも改めて規格外であることを示した。

ショウヘイのファンだ。サイン絶対欲しい

 前半戦メジャートップの38本塁打をマークしたマリナーズのローリーも、投手・大谷の実力を評価した。100マイル(約161キロ)超の直球や変化球について「ボールにスピンをかけるのがうまい。本当に素晴らしい選手だよ」。ドジャースとは9月26日(日本時間27日)からレギュラーシーズン最終カードの3連戦を控えており「9月にシアトルで対戦するかも」と心待ちにした。オールスター戦前には来年3月のWBCに米国代表として出場することを表明。「楽しみにしている。本当に名誉なこと」と連覇を狙う侍ジャパン、大谷にとっての強力なライバルとなりそうだ。

 私にとって取材の大トリだったブルワーズの守護神トレバー・メギルの言葉も強く印象に残った。大谷の印象を聞くと待ってましたとばかりに、大熱弁した。

【次ページ】 ショウヘイのファンだ。サイン絶対欲しい

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