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前田健太〈ヤンキースとマイナー契約〉決断までの舞台裏「自分自身に不安を抱いている」苦しんだメジャー10年目「落とし穴になった“ある球種”」
posted2025/08/06 12:00
新天地に挑む前田健太の思いとは…
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph by
Yuki Yamada
前田健太が再出発する。
カブスとのマイナー契約を破棄して、退団。フリーエージェント(FA)を選んだ。6月以降、復活の兆しをみせ“本来のマエケン”に近づいていた。そのタイミングでカブスよりもメジャー昇格のチャンスが広がる選択をした。そして、ヤンキースとのマイナー契約に合意した。
移籍決断の背景
先発投手の頭数が不足するヤンキースは、カブスに在籍しているよりもメジャー復帰の可能性が高い。カブスは、ジェームズ・タイヨン、ハビアー・アサッドら前田と同じ右投げの先発投手が負傷から復帰する見込みだ。マイナー契約の前田が昇格を勝ち取るのは、成績を残せばいい、という単純な問題ではない。
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メジャー40人枠を空けるために誰かをDFA(メジャー40人枠を外れる措置、日本では事実上の戦力外、と表記)にしなければいけない。マイナー契約から、メジャー契約に切り替えさせるのは、思った以上にハードルが高い。
そんな米国球界の事情も理解している前田は、カブス傘下3Aアイオワ・カブスに在籍を続けるよりも、残り2カ月で他球団に移籍する道に賭けた。
苦しんだメジャー10年目
メジャー10年目を迎えたマエケンの今シーズンを振り返る。
5月7日にタイガースから戦力外(DFA)となり、同17日にカブスとマイナー契約を結んだ。
「マエケンはもうダメだ」「年齢的に衰えている」「球速も落ちている」……。
マイナー初先発の5月17日セントポール戦は2回4失点、同23日のコロンバス戦では4回途中、5失点、同29日のシラキュース戦では2回途中で9失点。
もはや、マイナーでも通用しない。結果だけをみれば、周囲にはそう映り厳しい声も投げかけられた。

