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〈トレード期限目前〉菅野智之35歳が語っていた心境「明日が最後かも」「全てを受け入れる覚悟」移籍市場で注目を浴びた“オールドルーキー”の覚悟
posted2025/07/31 17:01
迫るトレード期限へ。菅野智之が話していた心境とはーー。
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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Getty Images
メジャー挑戦初年度、思いもよらぬ展開が菅野智之を待ち受けていた。優勝候補と目されたオリオールズはアメリカン・リーグのワイルドカード圏内には遠く、現実的にプレーオフ進出は厳しい状況だ。チームの中で安定したピッチングを見せてきた菅野は、トレード放出候補として注目を集めている。
「明日言われるかもしれない」冷静に受け止める覚悟
先発を任せれば大崩れせず、安定してイニング数を稼ぎ、四球が少なく、ゲームメークできるーー。そんな菅野の特性は、まさにトレード市場で求められる要素だ。本人も現状を冷静に受け止めている。
「僕がコントロールできないと思うんです。(トレードされたことを)言われるとしたら突然、言われるでしょう。明日言われるかもしれないし、それは分からない」
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トレード放出はほぼ確実と言われ、移籍市場で注目を集めてきた。それはMLBビジネスの側面であり、7月の風物詩のようなものだ。菅野はそんな不確かな未来を抱えながらも、今を懸命に過ごしている。
「明日(オリオールズで過ごすのは)最後かもしれない。仲良くなったチームメートもいるので、なるべくその時間を大切にしたい」
「ラストチャンス」オールドルーキーの覚悟
もちろん、菅野自身、一番望んでいるのは馴染んだチームのV字回復だ。
「それが一番です。それは間違いない。それを僕は一番望んでいます」
35歳を迎えた菅野は「心も体も成熟できている状態」と自身を評する。2020年に一度叶わなかったメジャー挑戦。巨人時代の盟友、長野久義や、ハワイでのトレーニングをともにするプロゴルファーの中島啓太という身近な存在に背中を押され、今シーズンを「ラストチャンス」と覚悟して臨んでいる。その覚悟ゆえに、トレードという可能性も全て受け入れる姿勢を見せてきた。
「僕はもうラストチャンスと思ってきているわけだから、全てを受け入れる覚悟じゃないと。やっぱりやっていても、どんなことが起きても楽しくないなって思っちゃう」
「どん底」を乗り越えてつかんだメジャーのマウンド。菅野はその未来がどこにあるにせよ、前を向き腕を振り続けている。 〈つづきは本編〉
