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日本ハムとソフトバンク“超激戦”のウラで…じつは「慶應ボーイ」柳町達が日本ハム・レイエスから“助言”を受けていた「だから強い」ライバル関係
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2025/07/29 06:02
交流戦でMVP獲得も、直後に成績降下。悩む柳町達を救ったのはライバル球団の主砲だった
日本ハムと超激戦…キーマンは柳町か
気づけばパ・リーグは2強のデッドヒートの様相だ。交流戦終了時点では上位4チームが「3.5ゲーム差」以内でひしめき合っていたが、その中からオリックスと西武が脱落。首位を走り続ける日本ハムにソフトバンクがじわじわと追いついてきた。その差は1ゲームで、29日からはエスコンフィールドHOKKAIDOで首位攻防3連戦が始まる。結果次第ではソフトバンクが今季初めて首位に立つことになる。
そして柳町の打率も.298まで上がってきた。3割回復も目前で首位打者争いにふたたび加わる勢いである。
苦しい7月だったが、少なからず自分らしいヒットが出た打席もあった。「追い込まれた中で、こんな打撃が出来るんだと思った」。かつては自分自身を勝負弱いと思っていたが、最近は逆に「大事な場面になるほど集中力が高まるタイプになった」と胸を張る。
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「首位打者は結果として獲れればいいけど、欲を出して良いことがなかった人生。目の前のヒット一本にこだわってコツコツやるのが自分らしい」
厳しい夏場の戦いになるが、今年はキャンプ中に周東佑京と栗原陵矢に「なんでやらんの?」と指摘されたのをきっかけにウエイトトレーニングに励むようになり、そのおかげで体力面の不安が軽減された。疲れからくる打撃のエラー動作が減っているという。
柳町は爽やかな出で立ちこそ慶應ボーイそのものだが、武骨なプロ野球人生を突き進み、28歳にしてようやく大きな花を咲かせようとしている。
逆境は怖くない。人生を強くするスパイスなのだと知っているこの男こそ、勝負どころの後半戦のキーマンとなるだろう。
