24歳河村勇輝にとってNBAシカゴ・ブルズは“最適の環境”か「ガードが過剰なほど多い」のになぜ熱烈オファー？ 時代と逆行する小さなガードの挑戦 

　シカゴのメディアも、サマーリーグで河村のプレーに魅了された人は多いものの、同じことをNBAの舞台でできるかどうかには懐疑的な声が大半だ。河村のツーウェイ契約に賛成する人でも、将来的にNBAロスターに入ることよりも、Gリーグのブルズでのリーダー役として若手の成長を助けることを期待している。

昨季グリズリーズのアシスタントコーチだったアンソニー・カーター（左）と言葉をかわす河村勇輝　©︎Yoko Miyaji

　特に今年ドラフト1巡目で指名した18歳のノア・エセンゲはGリーグで過ごす時間が長くなりそうなのだが、サマーリーグで見せたように彼にいいパスを供給することで成長を促してくれるポイントガードとしての価値を感じているようだ。

　NBAの本契約を狙う河村からしたら失礼な見方だが、とはいえ、どんな理由であってもツーウェイ契約で実力を磨き、Gリーグの試合で見せ続ければ、どこかからチャンスは生まれる。NBAのシーズンは長く、その間には予測しなかったようなことがいくつも起こるというのは、河村自身、メンフィスで過ごした昨シーズンで学んだことだ。チーム構築の途中にあるブルズだけに、この先トレードなどで選手が入れ替わる可能性も高く、そんなときに、河村が求められる状況もあるかもしれない。

時代と逆行する小さなガード

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　ガードの大型化が進む最近のNBAでは180cm台の選手でも小さくて不利だと言われる時代だ。サマーリーグでどれだけ輝き、活躍しても、173cmの河村がNBA本契約選手になるためには、まだ高い壁があることは間違いない。壁を越えることが難しくても、壁のどこかに穴をあけてでも通り道を作りたいところだ。

　サマーリーグを終えた後に、NBA挑戦2年目の目標を改めて聞いた。

シカゴ・ブルズの公式Xに投稿された合成画像。新天地でつける背番号は高校時代から馴染みのある「8番」となった

「まずはしっかりとツーウェイ契約を取れるように。そして、ツーウェイでNBAの方でプレーができた時にそこでしっかり結果を残して、本契約したいと思ってもらえるようなプレーヤーになりたいと思っています」

〈全2回／前編から読む〉