日々是バスケBACK NUMBER

24歳河村勇輝にとってNBAシカゴ・ブルズは“最適の環境”か「ガードが過剰なほど多い」のになぜ熱烈オファー? 時代と逆行する小さなガードの挑戦 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byGarrett Ellwood/NBAE via Getty Images

posted2025/07/25 11:03

24歳河村勇輝にとってNBAシカゴ・ブルズは“最適の環境”か「ガードが過剰なほど多い」のになぜ熱烈オファー? 時代と逆行する小さなガードの挑戦<Number Web> photograph by Garrett Ellwood/NBAE via Getty Images

NBAサマーリーグでアピールに成功し、見事、シカゴ・ブルズとツーウェイ契約を結んだ河村勇輝(24歳)

 ブルズとの契約が決まる前に、チームを選ぶときの考えについて聞いたときに、河村はこんなことを言っていた。

「ロスターのところ(契約状況)もしっかり考えないといけないなと思うし、あとは、やっぱり自分の強みをしっかりとチームにフィットさせることが想像することができるチームじゃないといけないかなと思っています」

 ロスター状況とチームのスタイルが決め手になるというわけだ。その点で、ブルズは河村にとって理想のチームというわけではないが、悪くないチームだ。

ADVERTISEMENT

 まず、チームのスタイルという点では合いそうだ。昨季のブルズの試合ペースはリーグ2位、チーム総アシスト数はリーグ5位と、テンポが速く、パスの多いスタイルの試合をしている。十分に河村の強みを生かすことができるチームだと言える。サマーリーグ前に、どのチームよりも熱心に勧誘してきたのがブルズだったというから、ブルズとしても河村に選手としての魅力を感じたことは間違いない。

「ガードが過剰なほど多い」

 一方で、ロスター状況は河村にとって最適とは言えない。河村にツーウェイ契約を与えるため、昨季途中からツーウェイ契約をしていたジャミア・ヤングとの契約を解除したことで、キャンプ前からツーウェイ契約選手として参加できるのは昨季より一歩前進だが、その先、NBA本契約を勝ち取ることを考えたときには壁は高い。

 何しろ、現在、ブルズのロスターはガードが過剰なほど多い。制限付きFAで、現時点でまだ来季の契約が決まっていないジョッシュ・ギディが残留した場合、ポイントガードだけで3人。また、サマーリーグにも出ていて、将来のエースとしてチームが期待する2年目フォワードのマタス・ブゼリスをポイントフォワードとして育てたいようで、サマーリーグの試合でもボールハンドリングを彼に託す場面があった。そういったことを考えると、故障者が出ない限り、河村がNBAのブルズでプレータイムを得る機会は限定的となりそうだ。

【次ページ】 現地メディアの反応は?

BACK 1 2 3 4 NEXT
#河村勇輝
#シカゴ・ブルズ

バスケットボールの前後の記事

ページトップ