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「ユウキ!ユウキ!」大歓声は異例…河村勇輝(24歳)はなぜNBAシカゴ・ブルズと契約できたのか? 「最悪の試合」から始まった“短期決戦”の舞台ウラ
posted2025/07/25 11:02
NBAシカゴ・ブルズとツーウェイ契約を結んだ河村勇輝。新天地での背番号は「8」に決まった
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宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Garrett Ellwood/NBAE via Getty Images
灼熱の砂漠の地、ラスベガスで毎年7月に行われるNBAサマーリーグ。直前のNBAドラフトで指名されたスーパースター候補から、夢のNBAへの扉をこじあけようとする選手まで、30チーム・400人以上の選手が一堂に会し、NBAだけでなく世界中のリーグのGMやスカウト、そして熱心なファンの前で鎬を削る。
そんな舞台で身長173cmの河村勇輝はシカゴ・ブルズの控えポイントガードとして戦い、まわりよりひとまわり小さい体格ながら輝きを放ち、持ち前のスピードと、マジシャンと呼ばれるパス能力で会場を沸かせて存在感を示した。
もっとも、最初から順調だったわけではない。初戦のトロント・ラプターズ戦ではサマーリーグの洗礼を受けた。コート上で繰り広げられた当たりの強いフィジカルな戦いに驚き、疲労のなかでターンオーバーを連発した。
NBAやGリーグに比べて激しい舞台
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実はサマーリーグでは選手の出場時間が制限されないように、ふだん6ファウルで退場になるところ10ファウルまで退場にならない。そのため、NBAやGリーグの試合よりもずっと強度の高い攻防が繰り広げられていた。
河村も頭のなかで対策を考えて試合に入ったつもりだったが、インサイドに入れるパスや、サイドラインからのスローインパスを続けて奪われるなど、第1クォーターだけでターンオーバーを3本も犯してしまった。3Pショットも、1本目は綺麗に決めたものの、その後はまったく決められなかった。持ち味のアシストもわずか2本。チームも44点差で大敗した。
試合後、河村は英語での質問に対して開口一番、”That was the worst game I've ever played”(これまでやった中で最悪の試合でした)と言った。さらに「これは本来の自分ではない。きょうの試合から学んで、次の試合に備えます」と続けた。
実際、短期決戦ではうまくいかなかったことを悔やんでいる時間はない。日本語の取材でも「(サマーリーグは)本当に素晴らしい経験だと思うし、どういった雰囲気で、どういったインテンシティでプレーするのかっていうのが分かったのは自分にとってもチームにとってもよかった。でも、チャンスが何度も訪れることはないので、シビアに現実を受け止めて、今日、反省点が出たところをしっかりと明日につなげて、いいプレーをしたい」と語り、前を向いた。
そこから河村は、毎試合ごとに環境に適応し、課題を乗り越え、輝きを増していった。


