「ユウキ！ユウキ！」大歓声は異例…河村勇輝（24歳）はなぜNBAシカゴ・ブルズと契約できたのか？ 「最悪の試合」から始まった“短期決戦”の舞台ウラ 

　第2戦のサクラメント・キングス戦ではフィジカルな戦いに慣れ、ポイントガードとしてピック＆ロールなどからペイント内に入り込むプレーが増え、アシストも5本記録した。

　しかし、シュートは3Pショットを4本打って1本しか決められず、ペイント内に入ったときにはシュートを打つこともなく、課題も残った。

「（ペイント内に入ったときに）決め切れる自信はもちろんあるんですけれど、チームの流れっていうのを考えて、まだ打ち切れない自分の弱さっていうのはあるのかなとは思っていますね。そこを恐れない力っていうのはもっと練習で培わないといけないのかなと思っています」

日本人コーチの助言

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　その課題は、早くも次のインディアナ・ペイサーズ戦で克服した。序盤からドライブインをしかけ、相手ディフェンスの接触を受けながらのレイアップを決めたり、フリースロー獲得などで得点を重ねた。ペイント内で得点したことで、味方へのアシストも冴え、15得点、10アシストのダブルダブルを記録。

　また、この試合ではディフェンスでもそれまで以上に身体を張って激しく当たり、サマーリーグに向けてディフェンス強化のために身体を鍛えてきた成果を発揮していた。スティールを奪ったほか、相手のオフェンシブ・ファウルを誘うなど好守が光った。これは、その数日前にニューヨーク・ニックスのアシスタントコーチ、吉本泰輔と食事を共にし、その際に「ディフェンスはもっとできるんじゃない？」とアドバイスを受け、フルコートでプレッシャーをかけることを意識した効果だったという。

ペイサーズ戦では吉本コーチの助言を活かした©︎Zach Beeker/NBAE via Getty Images

「（吉本さんから）ターンオーバーを誘わなかったとしても、そういったところを見ているコーチはいっぱいいると伝えてもらい、もっとやらないといけないと意識できました」と、アドバイスに感謝した。

　こうやって壁にぶつかり、失敗して経験値を積むことから学び、まわりのアドバイスを活かして成長していく河村の姿は、まるでステージごとにレベルアップしていく育成RPG（ロールプレイイングゲーム）のキャラクターのようだ。それだけ短期間で環境に適応し、成長を見せていた。

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