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「日本代表でも“ドS”な大宅が見たい」石川祐希も高橋藍も待ち望むセッター大宅真樹の限界突破…ライバル永露元稀、そして関田誠大への本音
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJVA/AFLO SPORT
posted2025/07/23 11:02
バレーボール男子日本代表でセッターのポジションを争う大宅真樹(左)と永露元稀
「大宅さんはすごい“ドS”なので」
昨季のSVリーグで初代王者になったあと、高橋藍は笑いながらこう話していた。
サントリーで共に過ごす中、高橋がどんな時にトスが欲しいのかを大宅は把握した。サーブレシーブやディグをして膝をつくなど、潰れかけた時にこそ、高橋は「トスくれ!」と猛然と助走に突っ込む。大宅は「そういう時の藍は目が違う」と察し、そうした場面でトスを上げるようになった。
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「でも大宅さんは、わかっていて、あえて上げなかったりするんですよ。『マジ来ると思ったのに!』って悔しそうに言うと、めっちゃ笑ってます。『トスが来なかった時の藍の表情を見るのが好き』って(笑)」
サントリーではそんな遊び心も持ちながら自由にチームを操っていた。もちろん舞台も、背負うものも違うのだが、代表でも“ドS”な大宅を見てみたい。
同い年で、ユースやジュニア時代にも共にプレーした石川キャプテンも、千葉大会最終戦のあと、大宅についてこう語った。
「監督が永露選手をよく使っているので、彼もなかなか難しいというか、トライはしたいけど、ミスもできない状況ではあるので、葛藤はあるのかなと思います。でも僕はどんどん攻めたトスが……、彼は攻めていくトスのほうが生きると思っているので、『どんな状況でも強気で行けよ』ということは話しています」
お前はこんなもんじゃないだろ!
そんなエールに聞こえた。

