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「日本代表でも“ドS”な大宅が見たい」石川祐希も高橋藍も待ち望むセッター大宅真樹の限界突破…ライバル永露元稀、そして関田誠大への本音
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJVA/AFLO SPORT
posted2025/07/23 11:02
バレーボール男子日本代表でセッターのポジションを争う大宅真樹(左)と永露元稀
高校生の頃にユース代表でチームメイトになって以来、永露とは非常に仲がいいが、今はライバル心も燃やしている。
「今、永露とやっていて、(第2週の)ブルガリア大会でもどっちが出るかわからない状況だった。自分が出たら結果を出したいし、永露も出たら結果を出している。だとしたらティリさんは、身長が高いほうを使いたいと思う。でも僕はそこ(身長177cm)で評価して欲しくない。だからこそ、他のところでどれだけ存在感をアピールできるか。“正セッター”というポジションを、今年はとにかく確立したい思いがあるので」
ネーションズリーグ第1、2週は、8試合中6試合で先発し、スパイカー陣が目まぐるしく入れ替わる中、誰が入ろうと積極的にクイックやパイプ攻撃を使い持ち味を発揮。2週目までを振り返る言葉には自信が垣間見えた。
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「世界が相手だからって(自分のスタイルを)崩したくはない。経験は所属チームである程度してきたので、それを活かせているなと、この2週で感じました。世界が相手でも怖さはそこまでなく、『自分でももっとやれるんじゃないか』というマインドで戦えていた。
今までの代表では、『ミスしたらどうしよう』とか『自分なんかが出ていいのか』みたいに思っちゃってたけど(苦笑)。かなり変わってきているなと感じました」
「プレッシャー、半端ないです」
そう手応えを得ながらも、第3週に向けて石川祐希らパリ五輪の主力5人が合流した沖縄合宿からは、「このメンバーからどう信頼を受けるかが大事」と緊張感が一段高まった。
「プレッシャー、半端ないです」
千葉大会で先発したアルゼンチン戦では、1本目のトスは小野寺太志のBクイック、2本目は高橋藍のパイプに上げて決めた。いずれもサントリーで鉄板だった攻撃。石川へのトスも、最初は低くなることがあったが試合の中で調整できた。
「『今のこうだったね』と祐希とは話して、お互いにすり合わせできたので不安なくやれたし、やっぱり試合になるとどんなボールでも打ってくれるので、楽に上げられていました」
だが相手のサーブにおされ、競り合いながらも先行される。1、2セットとも大宅は20点以降に二枚替えでコートの外に出たままセットを奪われた。監督やチームの方針だとわかっていても、「信じてもらえていないのかな」という不安が頭をもたげた。
翌日のブラジル戦は、2セットを連取されたあと、逆に第3セットから大宅が入る。流れが変わり一時はリードしたが、終盤連続失点して逆転された。
「僕が入った時に25点まで取りきれないのが続いている。結果がすべてなので、早く結果を出して、もっと自信を持ってプレーしたい」
自信を失い、もがいていた。


