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「日本代表でも“ドS”な大宅が見たい」石川祐希も高橋藍も待ち望むセッター大宅真樹の限界突破…ライバル永露元稀、そして関田誠大への本音
posted2025/07/23 11:02
バレーボール男子日本代表でセッターのポジションを争う大宅真樹(左)と永露元稀
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
JVA/AFLO SPORT
悔しさと安堵と――。それだけでは言い表せない複雑な感情が入り混じりながらも、大宅真樹は勝利の瞬間ベンチを飛び出し、永露元稀に抱きついた。
「ホントに助かったー!」
ネーションズリーグ予選ラウンド第3週の千葉大会2日目。日本はフルセットの末にアルゼンチンを破った。
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この日は大宅が先発したが2セットを連取され、第3セットからは永露がスタートで入り逆転で勝利した。試合後、大宅はこう語った。
「僕の尻ぬぐいをしてくれたので。2セットダウンの状況でポンと出されて、しっかり勝たせられるというのは見習わないと。ただ攻撃パターンを増やせばいいってわけじゃないなと、今日感じました。要所でしっかり決めさせるトスを上げていたのは永露だったので。正直、悔しい思いはかなりありましたけど、チームが勝てばいいと僕は思っているので」
このアルゼンチン戦は2人の分岐点になった。予選ラウンドの残り2戦はいずれも永露が先発し、ブラジルには敗れたがアメリカには3-0で勝利し、日本はファイナルラウンドの切符をつかんだ。
対照的な2人のセッター
日本代表のロラン・ティリ監督はセッター2人をこう評価した。
「永露は今サーブとブロックを強みにしている。大宅はより速い攻撃が得意で、クイック、パイプを多く使う。永露はシンプルなトス回しをする。異なるタイプのセッターがいることは利点だし、2人とも期待通りやってくれている」

