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「美誠ちゃんの大変さが分かった気がします」涙の世界卓球直後、平野美宇が伊藤美誠から貰った“ある言葉”…60分インタビューで語った「本当の気持ち」
posted2025/07/25 11:01
女子卓球・平野美宇のインタビュー(第2回)
text by

高樹ミナMina Takagi
photograph by
Asami Enomoto
女子シングルス2回戦で敗れたショックで過呼吸になった世界選手権ドーハ大会。それから間もなく平野美宇(木下グループ)は世界最高峰の中国卓球クラブ超級リーグ(以下、中国超級リーグ)に参戦し、2試合で勝ち点を挙げてチームの勝利に貢献した。
「パリオリンピックが終わって自分の気持ちを整理する間もなかった」と苦しそうに語る平野。
その様子は4年前の東京オリンピックで金銀銅メダルに輝き、大会後に燃え尽きた同胞の伊藤美誠(スターツ)によく似ている。
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選手たちは4年に一度のオリンピックを最大の目標にして走り続ける。特に卓球競技はほぼオフシーズンがなく、世界ランキングを上げるために年間を通じて国際大会に出場しなくてはならない。
十分な休養を取る間もなく、勝敗のプレッシャーにさらされながら過密スケジュールをこなして心身をすり減らす選手も少なくない。
今回の平野もまさにそうだと言えるだろう。10代の頃から厳しい競争の第一線で戦い続けてきた彼女も25歳。世界選手権を機に少し立ち止まり見えてきたことがあるようだ。
◆◆◆
「美誠ちゃんの大変さが少し分かった気がします」
――オリンピック後の目標の持ち方というのはやはり難しいですか? 東京大会後には伊藤美誠選手も経験しましたが。
平野美宇(以下、平野) 一つ大きな目標を達成すると、練習も試合も同じようにやってるつもりなのに、なかなか同じようにいきません。美誠ちゃんが悩んでいる姿は見ていました。自分もパリオリンピックが終わって、美誠ちゃんの大変さが少し分かった気がします。世界選手権のシングルスの表彰式があった日、美誠ちゃんと話したんです。私は孫穎莎選手と王曼昱選手の決勝を観に行っていて、その帰りのシャトルバスでたまたま隣の席になって、ホテルまで30分くらいの道中、いろんなアドバイスをもらいました。
――どんなアドバイスだったか話せることはありますか?

