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卓球PRESSBACK NUMBER
世界卓球で涙、過呼吸で苦しんだ平野美宇が明かす“真実”「休もうか、卓球を辞めようか」救われた中国でのひと言「泣かずに楽しくやったらいいよと…」
posted2025/07/25 11:00
女子卓球・平野美宇のインタビュー(第1回)
text by

高樹ミナMina Takagi
photograph by
Asami Enomoto
今年5月に開かれた世界卓球選手権ドーハ大会。世界のトップ選手たちが一堂に会するこの大舞台で、平野美宇(木下グループ)はかつてない試練に打ちのめされた。
2017年デュッセルドルフ大会で日本女子48年ぶりの銅メダルを手にし、団体戦では2度の銀メダルに輝いた平野が女子シングルス2回戦敗退。過去4回出場した個人戦の中で自己最低の成績である。負けたショックもさることながら、自身の力を出しきれないことが悔しく試合中に涙が出た。そして敗戦の後は全身がこわばり呼吸もままならず過呼吸に陥った。
「本当に情けない」と大粒の涙をこぼした平野。
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ところが大会から1カ月と経たない6月中旬、世界最高峰の中国卓球クラブ超級リーグ(以下、中国超級リーグ)のコートに立っていた。そこには世界選手権とは打って変わり伸び伸びとプレーする姿があった。平野は第1ステージ(6月9~11日)の団体戦2試合でダブルスとシングルスに出場し、いずれも勝利を挙げてチームに貢献した。
この短期間でどんな心境の変化があったのだろう? わずか3歳半でラケットを握ってから約22年間、卓球一筋に走り続けてきたトップアスリートが自身の心の内側を語ってくれた。
◆◆◆
「しばらく休むつもり」が…舞い込んだチャンス
――世界選手権からすぐのタイミングで中国超級リーグに参戦しました。とても驚きましたが、いつ話があったのですか?
平野美宇(以下、平野) 私も驚きました(笑)。世界選手権で自分の試合(女子シングルス2回戦)が終わって3日ぐらい経った頃、パリ五輪まで私を指導してくれていた張成コーチから電話があって。自分としてはしばらく休むつもりだったし、試合に負けて過呼吸にまでなってしまい自信を無くしていたので「自分でいいの? 今、行って勝てるの?」と不安でした。
――なぜ行くと決めたんですか?
平野 世界ナンバーワンの孫穎莎選手と同じチームだと聞いて、こんなチャンスはなかなかないぞと思って。電話をもらって5分ぐらい考えて、すぐに「行きます」と返事をしました。実はパリオリンピックが終わってからずっと海外のリーグに挑戦してみたかったんです。中国超級リーグには2016年に一度(オルドス1980から)参戦したことがあって、そこで自分の卓球が良くなったので。ただ、東京オリンピックやパリオリンピックの代表選考があって世界ランキングを上げることが大事な時期もあり、なかなか実現しませんでした。
中国で言われた「今回は泣かずに楽しくやったらいいよ」
――実際に行ってみてどうでしたか?


