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角界復帰の可能性は「全然、ありますね」…大の里を破って相撲世界一→アメフト転向でNFL挑戦 23歳元“天才力士”の未来図「いろんなオプションがある」 

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別府響

別府響Hibiki Beppu

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2025/07/14 11:02

角界復帰の可能性は「全然、ありますね」…大の里を破って相撲世界一→アメフト転向でNFL挑戦 23歳元“天才力士”の未来図「いろんなオプションがある」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

日本人初のNFL選手を目指す元アマ横綱の花田秀虎。来年のトライアウトで挑戦が成就しなければ様々な未来図も描いているという

 勝負をかけた翌2024年、シーズン直前の9月にまさかの右肩脱臼という大ケガに襲われたのだ。結果的に昨シーズンは、公式戦に出場することすらできなかった。

 ケガがつきもののアメフトとはいえ、このタイミングでの故障は致命的でもあった。もともと大学3年時からの編入で入学していた花田にとって、公式戦に挑戦できるチャンスはそう多くない。その中で1シーズンを棒に振るということは、現実的にNFLのドラフトにかかる可能性が限りなくゼロに近づいたということになるからだ。

予定外の故障…NFL入りのための「方針転換」

 そこからの花田の決断は、実にシンプルだった。

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「僕の目標は“アメフトをすること”じゃなくて、あくまで“NFLに行くこと”です。なので、その可能性がないのなら、もう2025年のシーズンは諦めようと。2026年に実施されるNFLの外国人枠のトライアウトに専念しようと考えました」

 NFLは2017年からインターナショナル・プレイヤー・パスウェイ(IPP)プログラムという外国人対象のトライアウトを行っている。ここに参加することができれば、10週間の合同トレーニング後、NFLチームのスカウト陣に向けて自身のスキルを披露する機会が与えられる。日本からも過去、挑戦した選手もいる。

「やっぱり僕は他の選手と比べるとフットボールの経験が少ないし、経験の面では周りに劣る部分がある。でもIPPは他競技のアスリートをNFLで活躍させるというのがコンセプトなので、自分の武器であるフィジカル面の強さが活かせる。だからいまはひたすらそこの強化をしています」

 公式戦で大活躍し、ドラフトにかかるルートは潰えた。

 それでも、そこで落ち込むのではなく、すぐに別の道を模索しそこに邁進できる。その切り替えの早さにも、花田のクレバーさを感じることができる。

 現在は母校・コロラド州立大で選手登録を外れ、学生コーチを務めつつ12月の大学卒業後に年明けのIPPプログラムからNFLのチームに選ばれることを目指す予定だ。

 花田自身は極めて冷静に状況を判断している。

「年明けのIPPがダメだったら……アメフト挑戦は一区切りのつもりでやっています。今年で24歳という年齢は、決して若くない。ラストチャンスだと思っています」

【次ページ】 花田が言い淀んだ「先輩との一番」の内容

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