テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平「ショウヘイは“そっとしておけ”」エンゼルス恩師が親友のドジャース監督ロバーツに…番記者が聞いたウラ話
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNanae Suzuki
posted2025/07/11 11:04

2023年、エンゼルス時代の大谷翔平とネビン監督
「デーブ(・ロバーツ監督)の言うことを信用しているのかい? たまに日付を間違うからね。注意が必要だよ」
ただ、ロバーツ監督ほど記者の質問に真摯に答え、「いちげんさん」の記者の呼びかけにも立ち止まって対応する監督はあまり見たことがないのも事実。日々対応してくれることに関しては、感謝の気持ちを持っている。
エンゼルス時代の監督ネビン「元気か、みんな!」
しばらくすると、そのバッセーが、こう聞き直してきた。
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「そういえば、フィルと喋った? きょうグラウンドに来てるよ」
「どのフィル?」と聞き直したが、バッセーが指を差した方を見てみると――はっきりと見覚えのある大柄な男性がホワイトソックスの打撃練習を見つめていた。
2022年は三塁コーチとして、同年途中から2023年まで監督として大谷と接してきたフィル・ネビン氏だった。今は選手育成部門特別補佐を務め、チームに同行していた。数人の日本メディアとともに打撃練習が終わるのを待ち、ネビンに視線を送っていると、こちらに気付き満面の笑みを浮かべた。
「元気か、みんな!」
日本メディア一人ひとりとハグを交わし、力強い握手。丸太のように太い二の腕と分厚い胸板、張りのある声もそのままだった。
“親友”ロバーツに助言した「そっとしておけ」
最初の話題は息子である西武の一塁手タイラー・ネビン。今季はタイラーが出場している試合を観戦するため来日したという。
「息子がすごく楽しんで野球をしている姿を見ることができたのがうれしかったですね」
そう語りつつ、目尻を下げたのが印象深かった。タイラーは5月の月間MVPにも選出され、6月23日には来季からの2年契約も締結している。「彼は日本でプレーすることが決まった時から、日本語を学んだり、文化を理解しようと努力していた」と活躍の要因を分析するとともに――日米の時差がある中でも、愛息に対しての愛情をこう明かした。
「今では、毎朝2時に起きて彼の試合を見ています。ほとんど寝ていないですよ(笑)。でも本当に素晴らしい経験をしていると思います。私は9月にまた日本に行く予定です」
もちろん現役時代の同僚で「親友」と呼ぶロバーツ監督と、大谷についても話題は及んだ。