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「正直、日ハムに怒りもあった…」糸井嘉男が語る“12年前の電撃トレード”真相「おい、体張っていくぞ!」オリックス移籍後に叫んだ魂の本音
text by

田中大貴Daiki Tanaka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/07/09 11:05
2013年1月、会見で意気込みを語った糸井嘉男(右)と八木智哉。日本ハムとオリックスの間で大型トレードが成立した
――オリックスの4年間を経て、2017年にはFAで阪神に移籍しました。心境は違いましたか?
そりゃ違いますよ。望んで移籍するのと、トレードでは気持ちが真逆ですから。FAはFAで難しいことや悩むこともいっぱいありましたよ。悩む時間があったからFAのほうが辛かったかもしれないですね。
――またファイターズに戻ろうとは思わなかった?
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どうでしょうね。鶴岡(慎也)は戻りましたね。でも、どんだけファイターズ好きなんだってなりません?(笑)戻って大谷翔平とプレイするみたいな? 大谷のSPかなんかやっていたりして。
「嫌いにはなった。でもずっと心にあった存在」
――引退した今、改めてファイターズへの想いを振り返るとしたらどんな気持ちですか? 言い方は悪いですが、「嫌い」にはならなかったのですか?
表現するのは難しいですけど、若干ですが、「嫌い」にはなったでしょうね。怒りもありましたし、見返したる!というか。でも心のどこかには「日ハム」という存在はずっとあって。やっぱり感謝の気持ちがあるんです。僕は(ドラフト)自由枠ですから、自分で日本ハムというチームを選ばせていただいて入ったので。愛着どころか自分の我が家のように思っていました。だから当時はすごい寂しくて悲しかったですけど、今は本当にトレードを経験して良かったなと心の底から思ってます。
――引退後は、ファイターズ戦の解説など北海道でのお仕事もされていますね。
今も北海道に行けることはとてもありがたい。感謝しかないですよ。それはオリックスも阪神も同じで。球団を渡り歩いたことも大きいと思うので、そういう意味でも移籍を経験できたことはよかったですね。強いていえば、現役のうちにエスコン(フィールド)で野球やりたかった(笑)。
――(筆者とは長い付き合いになるが)トレードの話をしたことはあまりなかったですよね。
そうですね。でも、じつは真相はまた別にあって……ってウソ、ウソ(笑)。
――次回は“真相”に迫りましょう。ありがとうございました。
〈全2回/前編から続く〉


