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「巨人には100%行かない。そんなバカじゃない」星野仙一の発言に渡辺恒雄は怒った…ペタジーニと中村紀洋“争奪戦”、ノリの「阪神内定」なぜ消えた? 

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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posted2025/07/08 11:04

「巨人には100%行かない。そんなバカじゃない」星野仙一の発言に渡辺恒雄は怒った…ペタジーニと中村紀洋“争奪戦”、ノリの「阪神内定」なぜ消えた?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2002年オフ、中村紀洋争奪戦に巨人と阪神が名乗り。だが結果は…

三宅:あかん。黒田さん、あきません。
黒田:どないした?
三宅:巨人が来ました。
黒田:……もう帰って来い。

「あんなもん、負けるに決まってる。巨人は何倍もの金を出すんやから。(ヤンキースタジアムにも広告を出す)世界の読売新聞に勝てるわけがない」

中村紀洋の争奪戦…阪神内定報道も

 スポーツ紙によって推定提示額は異なるが、横浜は1年10億円、中日は2年26億円、阪神は2年20億円、巨人は2年30億円(02年11月15日付/日刊スポーツ)と報じられている。19日、ペタジーニがジャイアンツを選択すると、星野はこう吐き捨てた。

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〈別に悔しくもない。同じような提示額で負けたら、阪神に魅力がないということだけど、あきれ返るぐらい差があるんだから〉(02年11月20日付/スポーツニッポン大阪版)

 この間に、金本は阪神入団を決意。中村紀はメジャー移籍を視野に入れつつ、13日に近鉄から6年36億円、15日に巨人から4年30億円の提示を受けたと報じられた。マネーゲームが避けられない状態になっていたため、星野監督は葛藤した。

〈中村は関西の星やないか。それをまた東京の金持ち球団にもっていかれてええんか。(中略)バカいってんじゃあないよ。いくらルール通りで、違法性はないっていったってここはアメリカやない。不景気にあえいどる全国の日本人の心情や世情いうもん考えてみい〉(03年10月発行/書籍『夢 命を懸けたV達成への647日』)

 相反するファン心理を熟考した末、星野監督は中村紀の獲得に名乗りを上げた。まだ阪神電鉄本社の了承を得ていなかった17日には、極秘にホテルで中村紀と会談。マスコミに嗅ぎつけられたため、帰りは車のトランク内で息を潜めて脱出したとも噂されている。これは事実なのか。

「そこまで知らないけどね。本人もそれは言わないけどね。最初、星野さんがノリと会って、『後は任すわ』と託されましたよ」

 闘将は21日の交渉を前に、〈巨人には100%行かない。そんなバカじゃない。賢い男だよ。ケン制して言っているんじゃなく、根拠があって言っているんだ〉(02年11月20日付/スポーツニッポン大阪版)と自信をのぞかせ、交渉後には中村紀の阪神入りを“内定”と書く媒体もあった。

【次ページ】 「星野みたいな小僧がおれにケンカを」

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