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「代打・一茂!」長嶋茂雄が原辰徳に“屈辱の代打宣告”…打率1割の一茂に代えた非情な采配「監督は僕のことが嫌いだったのかもしれないね」
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph byKeiji Ishikawa
posted2025/06/28 11:01
全盛期の輝きを取り戻せない原辰徳に、長嶋茂雄監督が下した決断とは?
この試合では横浜の先発が読めずに、「6番」に偵察要員を入れ、原は左投手の先発を確認してから起用されている。この打席まで2打数無安打。それでも打率は2割8分6厘あった。対する長嶋の打率は1割台だった。
「もちろん覚えているよ。代打を告げられて、なんともいえない感覚が全身を走った。カーッと熱いものが、体の中で脈打つような感じだった。そりゃあ、選手としては『なぜ?』という思いしかなかったですよ。あそこで仕方ないって納得する選手はいないでしょう」
原はそう振り返る。
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波紋を呼ぶことは承知で長男の一茂を代打に指名した長嶋は、決断の理由をこう説明した。


