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完勝のマルク・マルケスに大ブーイング! 「スポーツマンシップに欠ける」いまだ愚行を続ける“ロッシ崇拝者”に関係者は激おこ!!
posted2025/06/25 17:00
ドゥカティで完璧な勝利を挙げたマルケスだが、イタリアのファンから届いたのはブーイングだった
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遠藤智Satoshi Endo
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Satoshi Endo
今季絶好調のマルク・マルケスが、ドゥカティのホームGPであるイタリアGPで今季6回目のPP(MotoGPクラス72回目)を獲得、3クラス通算100回目のトップグリッドから今季5勝目(スプリントは8勝目)を挙げた。これでマルケスはMotoGPクラス67勝目、3クラス通算ではマルケスのトレードマークである「93」と同じ93勝目を達成した。
ドゥカティワークスに移籍して、ライバルを圧倒するマルケス。自身のミスと天候などの予測不可能なレースをのぞき、今季のマルケスを打ち負かすのは難しいということをあらためて証明した。
9戦を終えて2位の弟アレックスに40点差、最大のライバルと目されていたチームメートのフランチェスコ・バニャイアには110点差。過去3年、イタリアGPで地元ファンの期待に応えてきたバニャイアは、この大会で何としてもマルケスに勝って反撃のきっかけをつかみたかったがなす術なし。スプリントでは3位になったが、決勝レースでは4位と表彰台にも立てなかった。
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マルケスは「次のアッセン(オランダ)もペッコ(バニャイア)が得意とするサーキット。去年は大きくリードを広げられたし、まだまだ分からない」と語るも、この先、何事もなければシーズン中盤戦にして早くもタイトルが確定と断言してもいい。それほど今年のマルケスは強くて速い。
ロッシ信者の大ブーイング
そんなマルケスにイタリアのファンから大ブーイングが浴びせられた。ブーイングの音声が映像でどのくらい拾われているかわからないが、観客にもっとも近い場所で写真を撮っている立場としては、「また始まったなあ」と実に気分が悪いものだった。
ブーイングしているのは、レース界のレジェンドでイタリアの英雄バレンティーノ・ロッシを崇拝する熱狂的なファンたち。過去、ロッシとチャンピオン争いをしたライバルたちは、イタリアGPとサンマリノGP(ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ)で、ロッシファンからのこうしたブーイングを浴びせられるのが常だったが、中でもホルヘ・ロレンソとマルケスに対しては特別ひどいブーイングが浴びせられた。

