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「こんなのクソだよ」「ピッチャーはもう打席に立たない」ドジャース・大谷翔平も被害のMLB“報復死球”問題…現代選手たちの「リアルな声」は? 

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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posted2025/06/20 17:03

「こんなのクソだよ」「ピッチャーはもう打席に立たない」ドジャース・大谷翔平も被害のMLB“報復死球”問題…現代選手たちの「リアルな声」は?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

サンディエゴ・パドレス戦で右ふとももに死球を受け、痛みをこらえるロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平。実に4試合で8死球の大荒れとなった

 こうした受け止め方の多様さからわかるのは、MLBがいまだ報復死球という古い慣習を内包しながら進んでいるという現実だ。

 報道は行為そのものの是非を問わず、背景を並べる。SNSでは怒号と皮肉が飛び交う一方、「これも野球のうち」という声も根強い。

 MLBのスターである大谷が、その一連の流れの中に“ごく自然に”組み込まれていっただけであり、そのことには誰も驚かず、断じることもない。良い悪いは別として、いまもMLBには旧来の「掟」が静かに息づいているのだ。

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 ただ、さすがに近年その「掟」の行方を巡る議論も熱を帯び始めている。

変わる気配は?…MLBでの故意死球の是非

 以前からMLB内部では報復を含む意図的な死球の是非について継続的な議論が交わされている。

 2024年には、アトランタ・ブレーブスのウィット・メリフィールドが、危険球を受けた際に「もし内角への暴投に対して何のペナルティもないままなら、いつか大惨事が起こる」と危機感を示した。

 さらに彼は「こんなのクソだよ。(DH制の導入で)ピッチャーはもう打席に立たないんだから、自分が当てられることもない。『こっちが当てたら、次は自分がやられるかも』という恐れがない。そういう時代じゃないんだ」とも語り、投手と打者の不均衡な関係性を批判した。

 この件についてMLBの競技委員会で選手代表を務めるメリフィールドは、危険球があった試合の翌日に予定されていた委員会で「じっくり話し合いたい」とも述べており、メジャーの内部でも意図的な死球に対する問題意識が高まっていることがうかがえる。

【次ページ】 報復死球は本当に「当然の報い」なのか?

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