浅田真央（34歳）は名指導者になれるのか？「愛を忘れないように」「スケートの基礎から見直している」木下MAOアカデミー発表会見で見えた“覚悟” 

指導者としての“浅田真央の資質”とは？

　指導者として、今は未知数だ。

　でも、選手、プロスケーターとして、浅田がみせてきたのは限りなく努力する姿だ。それが浅田を世界で活躍するスケーターに引き上げ、そしてショーでも成功をおさめるに至った原動力だ。

　今度は「人に教える」ことに努力を注ぐことになるが、努力とは何か、努力の仕方を知るからこそ、そこに妥協はないだろう。その土台となる、選手への愛情の大切さも知っている点も、資質の1つだ。

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　指導者は、かねてからあたためていた夢でもある。昨年11月8日、「MAO RINK」のオープニングセレモニーで、浅田は言った。

「第1章が選手、第2章がショースケーター、そして第3章は指導者として挑戦していきたいという思いがあります」

　あれから約7カ月。第3章のスタートを本格的に切ることになった浅田は、前を見据える。

昨年11月、「MAO RINK」オープニングイベントで指導を行った際の様子　©Kiichi Matsumoto

「キスアンドクライに選手とともに座る日を」

「フィギュアスケーターはまったく同じスケーターがいないというところが、すごく素敵だなと思います。同じ振り付けでプログラムを踊ったとしても、滑るスケーターによって全然見え方が変わってくるというのが、何よりすごく素敵なスポーツだなと思いますので、今後どういったスケーターと出会えるのかっていうのもすごく楽しみです」

　首都圏は需要に比べ、リンクが不足しているとも言われてきた。それに応えるようにリンクをオープンし、そして学べる場所をつくる意味も大きい。

　そんな意義も含みつつ、「いつかはオリンピックに立つ選手を。キスアンドクライに選手とともに座る日を」、そんな未来を見据えて、新たな挑戦を表明した浅田真央には、多少の緊張を含みながらも、晴れやかで明るい笑顔があった。