「一般的には良くない。でも…」西田凌佑をねじ伏せた中谷潤人“常識破りのパンチ”とは？「顔が腫れるんです」元スパーリングパートナーが語る衝撃体験 

じつは珍しい中谷の“拳の角度”

――西田戦では右アッパーのトリプルやダブルを放っていました。アッパーはいかがでしたか。

「僕とやっているときはあそこまでダブル、トリプルは打ってなかった。腕を畳んで巧く打っていたので、それにプラス、バリエーションを増やしていったのではないでしょうか。右フックもすごく力の入る打ち方をしていて、拳を縦にしないで横にして打っている。（ゲンナジー・）ゴロフキンもそうですよね。中谷選手はサンドバッグも拳を横にして打っています」　

――それはどのようなメリットがあるのですか。

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「同じパンチの軌道でも、拳が入ってくる角度が変わるんで、打たれている側は嫌な気持ちになりますよね。ガードできているのに、角度が変わって拳が入ってきたり。アッパーでも拳の縦、横を変えるとか、すごく感じますね」

――それは多くのボクサーがやることなんでしょうか。

「トレーナーと、こういうのもあるよ、と雑談はしますけど、たぶん、みんな試合でそこまでの余裕がない。僕も何回かやったのですが、上から打ったり拳の角度を変えると、手首がしっかりしていないと痛めてしまう。僕は怖くて打つ機会が減りました。中谷選手はサンドバッグで打ち込んでいるので、手首のロック、手首を決める感覚が相当あると思います」

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後編では、現実味を増す「井上尚弥vs中谷潤人」の試合展望を解説。「お互いの得意パンチがKOパンチになりそう」と黒田氏が語る理由とは。