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ボクシングPRESSBACK NUMBER
中谷潤人27歳は“あの井上尚弥”に勝てるのか?「井上の左がカウンターで…」両者と拳を交えた黒田雅之が予想「“井上がダウンした左”は中谷も得意」
posted2025/06/12 11:31

西田凌佑に勝利した中谷潤人。期待の集まるメガマッチ「井上vs中谷」を黒田雅之氏が解説する(第2回)
text by

森合正範Masanori Moriai
photograph by
Takuya Sugiyama
6月8日、中谷潤人が西田凌佑から6回終了TKO勝利を収め、来年に控える井上尚弥とのビッグマッチへ向けて前進した。長年にわたり中谷、そして井上のスパーリングパートナーとして拳を交えてきたのが、元日本2階級制覇王者の黒田雅之だ。インタビュー後編では中谷と井上、両者のボクシングと試合の展望について解説してもらった。《NumberWebインタビュー全2回の2回目/前編から続く》
◆◆◆
井上尚弥戦が熱望される中谷はリング上で「もうすぐ行くので待っていてください」とコメントし、井上選手はXで「スーパーバンタム級戦線へようこそ」と応えた。互いに勝ち続ければ、来年5月にも対戦が実現する。
――井上選手と200ラウンド以上、中谷選手と60~80ラウンド。何度もスパーリングをした黒田さんから見て、二人の共通点やタイプの違いはありますか。
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「井上選手はオールラウンダーというか、超オールラウンダー。中谷選手も何でも出来ますし、二人とも遠い距離でも近い距離でも倒せます。二人ともオールラウンダーですけど、タイプが全然違いますよね」
「井上選手は序盤、距離を測ると思う」
――そのタイプとは。
「中谷選手は距離が遠いんで、相手が入りたくなる。そこに罠があって、入ったら接近戦でも強い。今回は前に出ましたが、基本的には待って展開をつくることが多い。引き気味で闘って、打ち合うときには打ち合う。井上選手は自分からガンガン行くけど、アウトボクシングもできる。オールラウンダーとしての比重がちょっと違う。イメージとしては、井上選手は前寄りのオールラウンダー。中谷選手はちょっと後ろ寄りのオールラウンダー」
――先ほどの話(前編参照)だと、パンチの質は違いますよね。
「中谷選手はもらった後の衝撃が強い。井上選手は根本的に痛い、速い、硬い。質は異なりますが、二人とももらったら倒れるパンチです」
――スピードでは井上選手でしょうか。