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「ナカタニに食らいつくなんて…」中谷潤人と西田凌佑“衝撃のTKO決着”に英国人記者も興奮「中谷は増量したらもっとすごいボクサーになる」

posted2025/06/10 11:05

 
「ナカタニに食らいつくなんて…」中谷潤人と西田凌佑“衝撃のTKO決着”に英国人記者も興奮「中谷は増量したらもっとすごいボクサーになる」<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

西田凌佑(右)に言葉をかける中谷潤人

text by

杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Hiroaki Finito Yamaguchi

 6月8日、有明コロシアムで行われたWBC、IBF世界バンタム級王座統一戦で、WBC王者・中谷潤人(M.T)がIBF同級王者・西田凌佑(六島)に6回TKO勝ち。中谷は戦績を31戦全勝(24KO)に伸ばし、リングサイドで見守った世界スーパーバンタム級4冠王者・井上尚弥(大橋)とのメガファイト実現に大きく一歩前進した。ただ、リングマガジンの編集人を務める英国人ライター、トム・グレイ氏の評価は「60点」とやや厳しめだった【NumberWebレポート全3回の2回目/第3回・那須川天心編に続く】(以下、グレイ記者の一人語り)

不運が重なった西田凌佑の評価

 一方で、ニシダの戦いぶりは見事だった。すでに重要な勝利を手にした経験があるとはいえ、IBF王者の立ち位置はナカタニと同じではない。リングマガジンのパウンド・フォー・パウンド・ランキングでもトップ10にランクされているナカタニを相手に、絶対のアンダードッグだった。それでもこれほどの注目を浴びる大イベントで、ニシダは堂々とした戦いを見せてくれた。

 IBF王者が奪ったのは1つか2つのラウンドだったかもしれないが、ナカタニのボディをうまく攻め、効果的なパンチも幾つかあったように見えた。残念ながら目と肩に傷を負ってしまい、結局はそれが致命傷になった。故障を負い、視界が半分しか確保できない状況でナカタニと戦うのは得策ではないだけに、6ラウンド終了時点で棄権したのは適切な判断だった。

 ただ、キャリア11戦目でこのステージに辿り着いたニシダは、初の統一戦でナカタニによってパンケーキのようにひっくり返されたというわけではない。左ストレートを数発浴びたが、倒れることはなく、明らかに効いたようにも見えなかった。あんな形でナカタニに食らいついた選手はこれまで他にはいなかった。最後はTKO負けを喫したものの、ニシダの評価は上がるだろう。強敵を相手に実力を証明し、これからも重要な一戦のリングに立つ機会は必ずあるはずだ。

【次ページ】 中谷潤人には辛口評価も…

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