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藤井聡太22歳「AI並み」ピンチ脱出の一方で…師匠・米長邦雄の“形見”に涙し、継承した「和服と泥沼流」杉本和陽33歳もスゴかった 

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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photograph by日本将棋連盟

posted2025/06/13 06:00

藤井聡太22歳「AI並み」ピンチ脱出の一方で…師匠・米長邦雄の“形見”に涙し、継承した「和服と泥沼流」杉本和陽33歳もスゴかった<Number Web> photograph by 日本将棋連盟

棋聖戦第1局の藤井聡太七冠。同タイトル6連覇に向けて快調なスタートを切った

 1筋から3筋にかけて駒のやり取りが行われた局面で、藤井は△5六歩と垂れ歩を打った。次にと金を作る狙いだが、先手陣にどれだけ有効なのか判然としない。ある棋士は「王者の一手」と評した。杉本はその間隙を縫って、後手陣を激しく攻め込む。食らいつくどころか、勝利も見えてきた。

 しかし、終盤の土壇場の局面で驚異的な強さを発揮するのが藤井将棋だ。

 本局では杉本の寄せをきわどく受け続けた。金を打ち合う同一手順で無勝負の千日手が懸念されたが、杉本は勝機ありと見て打開した。ただ実際には難解で、後手に駒を多く渡すと先手玉に詰みが生じた。結局、杉本は勝ちを読み切れず、藤井は反攻すると一気に寄せ切った。

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 藤井棋聖は144手の激闘を制し、棋聖戦第1局で先勝した。終局時刻は19時15分。残り時間は、藤井8分、杉本1分。第2局は6月18日に兵庫県洲本市で行われる。

「杉本さんの頑張りは立派」「藤井さんはAI並み」

 杉本六段は絶対王者の藤井棋聖とのタイトル戦の対局で、よく奮闘して土俵際まで追い詰めた。終局後にはこう語っている。

「中盤で1筋を攻める展開が実現しましたが、終盤で寄せの選択肢を間違えました」

 杉本の戦いぶりについてネット上でも「杉本さんの頑張りは立派」「得意の振り飛車で互角以上に戦った」「あの難解な局面を乗り切った藤井さんの実力はAI並み」などのコメントが載ったほどの熱局だった。〈将棋特集:つづく〉

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