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「基本は(来季も)リバプールです」遠藤航はプレミア連覇へ不可欠…英国人記者が聞いた「ワタはエゴと無縁」「模範的リーダー」仲間からの評判
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ジョン・ブルーウィンJohn Brewin
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/06/12 17:00
インドネシア戦での遠藤航。試合後には“リバプール残留”を基本線として語っていた
「もちろん、選手なら誰でもできるかぎり多くプレーしたいと思うものです。でも監督の決断を尊重します。自分の仕事はチームに必要とされる時に、すぐに出られる状態を保つこと。それが5分であろうと、90分であろうと」
チームが僅差を守る終盤には、遠藤の守備力とキープ力、そして周囲に安心感を与える存在感が重宝された。試合を終わらせる火消し役の重要性は、目の肥えたファンも理解している。
出場機会こそ少なくても、チームメイトからの高い評価は変わらなかった。屈託のない笑顔で誰とでもコミュニケーションを取り、彼の人間性と仕事観に敬意を示す仲間は多い。主将のフィルジル・ファンダイクは、次のように讃えた。
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「自分がこれまでに一緒にプレーした選手のなかで、彼ほどエゴのない選手はいない」
ワタは最高のプロフェッショナルだ
またスロット監督は、遠藤をメンバーに含め続ける理由を、こう明かしている。
「ワタは最高のプロフェッショナルだ。練習に厳しく取り組み、不平を漏らすことはなく、出番が訪れると、すべてを出し尽くしてくれる。複数のタイトルを狙うチームにとって、彼のような選手の存在は極めて大きな意味がある」
アンフィールドのゴール裏、“コップ”の住人たちも、遠藤の献身性を頼もしく感じている。目立つプレーをするわけではないが、効果的にチームを助ける彼の姿は、筋金入りのリバプールサポーターたちにも称賛された。ソーシャル・メディアでは、もっと遠藤を起用すべきだと意見するファンの投稿が頻繁に見られた。
FAカップやリーグカップでは、センターバックの新境地を開き、前述したように、リーグ戦最終節でもそのポジションを任された。過去、Jリーグ時代には最終ラインでプレーしたこともあるそうだが――トップレベルで通用した手応えは、ベテランの域に入った彼にとって、有意義なものとなったはずだ。
若手への模範的リーダーのうちの1人
また若手の多いリバプールにおいて、遠藤の経験とプロ意識は格好のロールモデルにもなった。キャプテンのファンダイクは、次のように明かしている。

