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“日本人が知らない”オリオールズ菅野智之の米国リアル評「凄い球を投げるわけじゃない」35歳はなぜ打たれない? 本人は「めちゃくちゃ楽しいですよ」  

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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posted2025/06/08 11:04

“日本人が知らない”オリオールズ菅野智之の米国リアル評「凄い球を投げるわけじゃない」35歳はなぜ打たれない? 本人は「めちゃくちゃ楽しいですよ」 <Number Web> photograph by Getty Images

安定した投球を続けている菅野

まさかの低迷…菅野は先発陣の大黒柱に

 ところが開幕後、投手陣に負傷者が続出するなどして、チームはまさかの低迷。その中で毎試合安定してゲームメークをしている菅野は、いつの間にか先発で最も頼れる存在になっていた。

 自分の持ち味、経験を生かし、貢献する。それが、菅野のテーマだった。

「自分の中でこっちに来る時に基準を決めていた。それは成績とかじゃなくて、やっぱり日本で自分の中の良さを考えたときにピッチャーは(調子の)良くない時がほとんどなので、悪い時も悪いなりに、試合を作れるかどうか。日本でできていたことが、アメリカに行ってちゃんとできるかどうか。それを一つの指標にしようと僕は決めてやっています」

アメリカでも貫く「菅野らしさ」

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 35歳で迎えるルーキーイヤー。米国の空気を吸えば、いきなり100マイル(約161km)を投げるパワーピッチャーに変身できるわけではない。アマチュア時代を含め日本の野球で培ってきた“菅野智之”の姿で勝負する。それを心に決めていた。

「調子があまり良くない時でもゲームメークをできるのは、僕がジャイアンツ時代やってきた唯一の強み。僕は何かすごい球を投げるわけじゃないので」

 ここまで12試合に先発し、6度のクオリティー・スタート(6イニング以上投げ、自責点3以下)をクリア。ワーストの失点は4で“炎上しない投手”としてチームに安心感を与えている。

MLB公式球に対応できた秘密は…

 その大きな要因は、多くの日本投手が苦しんできたメジャー公式球への対応だ。日本のボールよりやや大きく感じ、滑りやすい、とされ日本投手でなくとも、その扱いには苦労する。菅野は自分なりに、日々の生活、そして考え方で“厄介な相手”を操っている。

【次ページ】 自分への“合格点”を、やや甘めに

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