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「(貯金を)切り崩しながら…」田口真彩との新ペア結成でも“代表辞退”はナゼ? バドミントン・渡辺勇大が今明かす、話題を集めた“決断の背景”
posted2025/06/05 17:02
渡辺勇大がNumberWebに明かした、アスリートとしての現在地
text by

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Shiro Miyake
19歳の新星・田口真彩とのペアを結成した渡辺が、NumberWebのロングインタビューに応じた。そのダイジェスト版をお届けする。
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バドミントンの渡辺勇大、日本代表辞退の背景
「選手を辞めちゃった方がマイナスは少ないじゃん」と渡辺勇大は思ったことがある。バドミントン選手として世界で活躍してきた彼が、そう考えざるを得なかった理由は、日本代表を取り巻く厳しい環境の変化にあった。
2025年1月、日本バドミントン協会はナショナルチームのメンバーを発表したが、そこに渡辺勇大と田口真彩の名前はなかった。彼らは落選したのではなく、代表を辞退したのである。
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その背景には、協会の資金難があった。東京五輪前と比較して国からの助成金が減少し、さらに元職員による横領発覚によるペナルティで追加減額。2024年度は黒字化を目指して強化費が約8億円から約3億円へと大幅に削減された。パリ五輪後には選手が自費で海外遠征に出ざるを得ないケースが増えた。
プロとして活動していた渡辺は、この影響を直接受けた。「自費になったとしても、ほとんどの選手は企業が負担するため、選手が個人的に負担しているわけではない。僕自身は社員ではなくてプロ契約を結ばせてもらっていたので、自分で渡航費を負担しなければいけない」
パリ五輪後、田口との国際大会出場で「もう赤字垂れ流しで、自分自身が持っているものを切り崩しながら……」という状況に陥った。2025年に入り、協会から「協会派遣」の対象にならないと伝えられた渡辺は、代表を辞退する決断を下した。
「世界ランキングが上がっていないので自分自身で渡航費を負担しなければならない。代表にいることによって活動が制限されるのは少なからずデメリットとしてあった」
それでも渡辺は競技を続けている。「まだ強くなりたいというのがいちばんだったかな。あとは田口が組んでくれるのも大きかった」。田口との左利きペアという新しいスタイルで、彼は再び世界の頂点を目指す道を歩み始めている。
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