《ソフトバンク交流戦無双に異変》5年刻みの勝率が「.613→.678→.544」に急落…「並みのチーム」になってしまったのか 

　またソフトバンクは親会社がIT企業ということもあり、相手チームのデータ分析に長けている。他球団が自分の所属するリーグ5球団の情報分析で手一杯なのに対し、ソフトバンクはセの6チームの分析もしっかり行ってアドバンテージを持っていた可能性もあるだろう。

　しかしソフトバンクの5年刻みの交流戦の戦績と勝率を見ると――近年、そのアドバンテージが怪しくなっていることがわかる。

05～09年 87勝55敗2分 率.613
10～14年 68勝43敗9分 率.613
15～19年 59勝28敗3分 率.678
21～24年 37勝31敗4分 率.544

2024年のソフトバンク－ヤクルト戦　©Hideki Sugiyama

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　コロナ禍前まで、5年刻みでも6割以上、15～19年に至っては7割近い勝率だった。しかし2020年代に入ってからの4年は、勝ち越してはいるが「並みの成績」になっている。さらにパ・リーグでもオリックスの3連覇を許した。昨年こそ独走でリーグ優勝したが、成績的にはソフトバンクは急速に「並みのチーム」になってしまったと言える。

　今季もソフトバンクは勝率5割、4位に甘んじている。従来ならソフトバンクはここでセ・リーグの球団相手に大きく勝ち越して、交流戦明けに貯金を殖やしたが、今季はどうなるのか？

　交流戦は「ソフトバンクの動向」に注目すべきだろう。

周東、モイネロが好調なだけに…

《第10週》 ※2025年5月26日から6月1日まで
【チーム順位】
〈セ・リーグ〉
・通算
阪神52試30勝20敗2分率.600
DeNA50試26勝21敗3分率.553
巨人53試28勝24敗1分率.538
広島49試24勝23敗2分率.511
中日51試23勝26敗2分率.469
ヤクルト47試14勝31敗2分率.311
・第10週
阪神6試5勝1敗0分率.833
DeNA6試4勝2敗0分率.667
中日6試4勝2敗0分率.667
巨人5試2勝3敗0分率.400
広島5試1勝4敗0分率.200
ヤクルト6試1勝5敗0分率.167

〈パ・リーグ〉
・通算
日本ハム51試29勝20敗2分率.592
オリックス49試25勝21敗3分率.543
西武50試27勝23敗0分率.540
ソフトバンク50試24勝24敗2分率.500
楽天50試23勝26敗1分率.469
ロッテ48試17勝31敗0分率.354
・第10週
日本ハム5試4勝1敗0分率.800
楽天5試3勝2敗0分率.600
オリックス4試2勝2敗0分率.500
ソフトバンク4試2勝2敗0分率.500
西武5試2勝3敗0分率.400
ロッテ5試1勝4敗0分率.200

　阪神が大勝ちして貯金を10に伸ばした。DeNAがこれを2．5差で追う展開。ヤクルトは引き離されつつある。パでは首位日本ハムが2位以下を引き離しにかかった。パも最下位ロッテが苦境を脱していない。

【打撃成績】※打撃の総合指標であるRC（Runs Create）順
〈セ・リーグ〉
牧秀悟（De）26打10安3本5点1盗 率.385 RC7.77
上林誠知（中）22打8安2本2点1盗 率.364 RC6.94
泉口友汰（巨）18打10安0本4点0盗 率.556 RC6.54
佐野恵太（De）26打9安2本5点0盗 率.346 RC5.90
岡林勇希（中）26打9安1本3点0盗 率.346 RC4.95
〈パ・リーグ〉
廣岡大志（オ）14打6安1本2点1盗 率.429 RC4.61
浅村栄斗（楽）17打6安0本0点0盗 率.353 RC4.41
周東佑京（SB）17打6安1本2点1盗 率.353 RC3.90
長谷川信哉（西）19打7安0本3点0盗 率.368 RC3.79
清宮幸太郎（日）17打6安1本3点0盗 率.353 RC3.69

　セは牧、佐野とDeNAの中軸が好調。中日・上林も一時期落ち込んだが復調。本塁打は牧の3本、打点はDeNA牧、佐野の5打点。盗塁はDeNA牧、中日の上林ら11人が1。パはこのところ1番に起用されているオリックス廣岡が好調。2000本をクリアした浅村も復調。本塁打は日本ハムのレイエスが2、打点は西武のネビンと外崎修汰、楽天フランコと村林一輝が4。盗塁は楽天・辰己涼介が2回成功した。

【投手成績】※リーグ平均防御率に準拠したPR（Pitching Run）順
〈セ・リーグ〉
バウアー（De）2登1勝16回 責2率1.13 PR1.83
大竹耕太郎（神）1登1勝7.1回 責0率0.00 PR1.75
マラー（中）1登1勝7回 責0率0.00 PR1.67
伊原陵人（神）1登1勝6.1回 責0率0.00 PR1.52
才木浩人（神）1登6.1回 責0率0.00 PR1.52
〈パ・リーグ〉
モイネロ（SB）1登8回 責0率0.00 PR2.08
ボス（ロ）1登8回 責0率0.00 PR2.08
藤井聖（楽）1登1勝7.1回 責0率0.00 PR1.91
北山亘基（日）1登7回 責0率0.00 PR1.82
田中晴也（ロ）1登1勝7回 責0率0.00 PR1.82
髙橋光成（西）1登7回 責0率0.00 PR1.82
渡邉勇太朗（西）1登1勝7回 責0率0.00 PR1.82

　セはDeNAバウアーが5月27日、6月1日と中4日で先発してそれぞれ8回零封、8回自責点2と好投した。1週間の投球数は228球に上る。救援では中日・松山晋也が3セーブ、阪神・石井大智、湯浅京己、巨人中川皓太が3ホールド。パはソフトバンクのモイネロが5月28日の日本ハム戦で、ロッテのボスが6月1日の日本ハム戦でそれぞれ8回零封も勝ち星付かず。救援では楽天の藤平尚真が2セーブ、楽天・西口直人が3ホールドを上げた。