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獅子の遺伝子BACK NUMBER
36歳、戦力外通告に「まだやれるよなぁ…」巨人にFA移籍→楽天に金銭トレード→西武復帰…炭谷銀仁朗「僕はいまだに143試合出るつもり」20年目の野球哲学
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byWataru Sato
posted2025/06/03 11:04
ベテラン捕手として若い投手陣を引っ張る炭谷
後輩捕手は「ライバルという感覚です」
その直感が的中し、古巣ライオンズへの復帰が叶った。以前、在籍していたころから選手も大幅に入れ替わり、41歳の栗山巧、中村剛也に次いでチームで2番目に高い年齢となった。
「体もそうやし、気持ちの面も含めて、僕はいまだに143試合出るつもりでいるんです。だから、その気持ちがなくなったとしたら、現役をやめるときかなと思っています。今も『このピッチャーだったらこういうリードしたいなぁ』とワクワクして毎日試合を迎えている。
後輩のキャッチャーにもね、ライバルという感覚です。僕はコーチじゃないんで。何でもかんでも教えてあげるよというスタンスではないですね。もちろん聞いてくれれば教えますよ。僕が若いころ、試合に出てゲームを任されて、僕の考えでリードしているのに、先輩にいろいろと言われたくなかったんですよ。だから僕からあれこれとは言わないですね」
若いピッチャーの姿に願うこと
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現在は菅井信也を始めとする一軍経験が少ない投手とバッテリーを組む炭谷に、今シーズンの目標を聞いてみた。
「今、先発マスクでバッテリーを組む若手のピッチャーたちが、一つでも多く貯金を作って、勝ち越してシーズンを終われるようにリードしたいですね」
勝ち星を手にすることで、若い投手がどれだけ成長するか、過去の実例で知っているからだ。今年38歳、まだまだチームのために尽力するつもりである。


