- #1
- #2
プレミアリーグの時間BACK NUMBER
「エンドウ移籍あり? なし?」リバプールサポと“遠藤航の去就”電車で本音討論「プロ中のプロ」「来季もいて」「でもクラブは利益を…」
text by

山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAndrew Powell,Liverpool FC/Getty Images
posted2025/05/28 11:04
リバプールのプレミアリーグ優勝に貢献した遠藤航。移籍の噂が各メディアで出る中で……ファンはどう考えている?
「あいつはプロ中のプロ」「異論なし!」
地元紙『リバプール・エコー』など、ジョーンズには10点満点中7点をつける一方で、遠藤の採点が及第点の6点に留まるメディアもあった。だが、チーム随一とも思えた働きぶりは、ファンの目にも留まっていたようだ。翌週、アンフィールドでのアーセナル戦にマンチェスターから電車で向かった筆者は、約1時間の車内で、遠藤先発の可能性をリバプールファンに尋ねてみた。
まずは、4人掛けのシートで一緒になった男性2人組。
「自分なら、またエンドウを先発で使うね。先週の出来はチームでも最高レベルだったし、あいつはプロ中のプロ。出番の少ない選手が、いきなりスタメンで力を発揮するのは簡単じゃないが、エンドウならやってくれる。そう思えるだろう?」
ADVERTISEMENT
するともう1人が、「リバプールのマン・オブ・ザ・マッチだった」と反応して続けた。
「ゴールで一矢を報いた(ビルヒル・)ファン・ダイクも捨て難いけど、土壇場でのタックルといい、クリアといい、エンドウの出来は素晴らしかった。スタメン維持に異論なし!」
途中の駅から隣に座った青年も、レプリカシャツを着たサポーター。同じ質問に、彼はこう答えた。
「先発を続ける資格はあるよ。エンドウだけは、スロットに与えられたチャンスをものにしたと思う。スタメンの1枠どころか、リバプールでの選手生命を懸けてプレーしているみたいだった。気持ちはわかるというか、伝わってくる、あの気持ちが嬉しい」
遠藤がピッチで披露した実力と勝ち得た信頼が、サポーターにそう言わせる。出場試合の大半は、いわゆる「クローザー」としての起用。スロット監督と何度か個別に話をする機会を持ち、高い守備力とプロ意識に対する信頼を確認できた本人が取り組んだ役割でもある。
本人には“スタメンで出ていたわけではない”悔しさが
試合終了間際に投入され始めた今季序盤戦、ボールを持った際の感触や短時間での息の上がり方などが、常時出場時とは違うと気付き、いつ出番が来ても100パーセントのパフォーマンスを出せるよう、取り組む意識を強めたのだとも聞いた。
ウォームアップを行う遠藤の姿に、我われ日本人記者が「入ってきそう」と騒めくことがあった。確認してみると、アップは脛当も装着し、すぐに入れる状態で行うのが新体制下での決まり事。怠った選手には、罰金制裁が下る。とはいえ遠藤のような心構えの持ち主には、罰金はもとより、ルール自体が不要だ。
かといって、当人がクローザー役に満足しているわけではない。

