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プレミアリーグの時間BACK NUMBER
「リバプールにもっと貢献を」遠藤航がプレミア3年目へ“重要証言”「日本人みんなの誇り」鎌田大地も敬意…記者が見た“ワタの幸せな笑顔”
posted2025/05/28 11:05

プレミアリーグのトロフィーを手に喜ぶ遠藤航。この直後に来季への思いを語ってくれた
text by

山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
REUTERS/AFLO
数的不利の1点ビハインド…遠藤の献身からドローに
リバプールの遠藤航は、アンフィールドのピッチ上で2024-25シーズンを終えた。
5月25日、ホームにクリスタル・パレスを迎えたプレミアリーグ最終節。ベンチを出たのは、試合開始から69分後のことだった。投入されたポジションは、中盤ではなく、最終ラインの中央。ともすると、ひと月前に優勝を決めていた今季最後の一戦で、取り敢えず出番を与えられただけのようも思われかねない。
だが実際には、遠藤ならではの意義ある途中出場だ。もはや自軍の順位に影響はないとはいえ、敗戦でのシーズン終了は避けたいところ。交代が告げられる1分前、前半から1点を追う展開を強いられていたリバプールは、この日も6番役で先発したライアン・フラーフェンベルフの退場処分で10人になっていた。指揮を執るアルネ・スロットにとって、同点さらには逆転を狙う残り時間20分強、数的不利のなかでも頼れる守備力と経験値を備えた持ち駒は、遠藤しかいない。
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その指揮官の期待に、遠藤はパフォーマンスで応えた。
CBとしてピッチに立った1分後には、高い位置で1度目のインターセプト。その10分後にもボールを奪い返し、マイボール時には果敢に攻め上りもした。81分には相手GKがライン越しに届けたボールをさりげなく完璧にコントロールし、後方ビルドアップへと繋げた。そしてその3分後、リバプールはモハメド・サラーがネットを揺らし、1-1のドローをもぎ取った。
「サラーも記録を達成したそうですし」
遠藤自身も、微笑みをたたえて試合後の取材に応じてくれた。
優勝セレモニーを終えたばかりで、まだ赤いユニフォーム姿のまま、首にはメダルをかけ、黄色いスパイクには赤い紙吹雪の紙片がまとわりついている。その表情も出で立ちも、晴れやかなリーグ優勝メンバーそのものだ。
「ようやく実感することができたというか、実際にメダルとトロフィーを生で見ることができて、うん、嬉しい。(試合は)最終的に引き分けでしたけど、最低限、負けなくて良かったなというのと、サラーも記録を達成したそうですし、みんなで喜べて良かった」
サラーについて言及したあたりに、「チームありき」の遠藤らしさを感じた。