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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根駅伝では「2区を走りたい」…青学大の元“最強ルーキー”折田壮太(19歳)が志願の激走で見せたプライド「日本人トップという選択肢はない」
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph byYuki Suenaga
posted2025/05/23 06:01
高校時代は自他ともに認める「世代最強」ランナーだった青学大2年の折田壮太。昨年の雌伏の時を経て、今季ブレイクできるか
そんな同期の活躍に、折田も燃えないわけにはいかなかった。
「同期の活躍は良い刺激になっています。前回の箱根駅伝では小河原が活躍したのに、そもそも僕は10人に入れませんでした。“小河原世代”じゃなくて“折田世代”なんだよと言えるような、そんな1年にしたいと思っています」
再び傑出した存在になるために、折田の志は高い。
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そして、駅伝ではエースとしての走りを見せるつもりだ。
箱根駅伝で走りたいのは…「2区ですね」
関東インカレのレース後、箱根駅伝で走りたい区間を折田に聞くと、少し考えてから「2区ですね」と答えてくれた。
今年の箱根駅伝では3区を走った鶴川正也の付き添いで戸塚中継所にいた。つまりは、花の2区を務める各校のエースたちを迎えたということだ。
「大学生のトップが嗚咽しながら上がってくるあの坂は、走り終わった後の幸せそうな顔を見て、どんな景色なんだろうなと思いました。たぶん死ぬほどきついんだろうけど、死ぬほど楽しいんだろうな。そう感じさせてくれたのが、2区を走った選手たちでした。そこを自分も走りたいと思いました。ひとつの憧れです」
2区最終盤の難所に悪戦苦闘するエースたちの表情が、折田には鮮烈だった。そして、自分もそこを走りたいという思いを強くした。
まだまだ高校時代の実績には及ばないものの、苦しみ抜いた1年間を経て折田が得たものは多かった。今季こそ、天才がベールを脱ぎ捨て、さらなる進化を遂げるシーズンになりそうだ。

