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獅子の遺伝子BACK NUMBER
今年の西武はなぜ勝てる? 西口文也監督“しなやかな勝負師”の知られざる原点を探る「え、西武に入団したのにいきなりアメリカ武者修行…!?」
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNaoya Sanuki
posted2025/05/24 11:01
現役時代の西口監督の勇姿。常に飄々としたメンタルの原点はプロ1年目の意外な経験にあった?
西口は1点リードの6回からマウンドに上がり、4イニングで1安打5奪三振の無失点に抑えて13勝目を挙げた。2試合連続の抑え登板で計114球。さらにその後、「中3日」となる19日ロッテ戦で先発し、続く24日の近鉄戦では9回完投勝利。V争いの勝負どころと見て「エースのスクランブル登板」という究極の賭けに出た東尾西武はオリックスを振り切りリーグ優勝を果たし、西口はその年最多勝のタイトルを獲得した。
「大変でしたけど、監督の思いを意気に感じて気持ちで投げました。それだけ信頼されているというのはやっぱり嬉しかったですし、東尾監督が勝負をかける時の執念というものも強く感じました。今じゃなかなか考えられない起用法ですけどね。でも当時のライオンズはやはり優勝か、それ以外か、という常勝チームでしたから」
西口監督も鬼采配の時が…?
今でこそ穏やかに指揮を執るが、かつての東尾監督さながら、西口監督も勝負をかける鬼采配を振るう時が来るのだろうか?
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「まあね……。でも今は戦い方も昔とはだいぶ違いますから」
やはり、柳の如くしなやかにかわす。
21年間の現役生活の中で、5人の指揮官のもとでプレーした西口監督。「影響を受けた監督」について聞くと、意外な反応が返ってきた。
〈つづく〉

