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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「高橋宏斗くん、なんで毎日投げないの?」“3年連続最下位”中日ドラゴンズで女性ファン急増…現地取材で分かった人気選手「3位高橋、2位細川、では1位は?」
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/05/23 11:05
女性ファンにも人気の高橋宏斗(22歳)。2020年ドラフト1位で中京大中京高から中日入り
「今の中日の若手では、福永(裕基)選手、村松(開人)選手、岡林選手、田中幹也選手は人気です。女性ファンが多い。推しの選手を応援するために訪れる。チームの勝ち負けだけではない価値を見出しているんです」
地元出身の若手選手の積極起用が推し活文化に結びついた。立浪監督が意図していたことなのか。「多分たまたまでは……」と若狭氏は笑う。
「立浪さんの若手の起用法は落合さんとも対照的でした。たとえば通算2000本安打を記録している大島洋平はプロ1年目、2年目と少しずつ一軍出場を増やしていきました。ただ、若手の抜擢は1人くらい。チームの勝敗を大きく左右するところは実績のある選手に任せていました。そうして経験を積めた大島は3年目に大ブレイクするわけです。落合さんはこれぞと思った選手の育成と、チームの勝敗を両立していました。
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対して立浪さんは若手を一気に複数人、それも1番打者や4番打者という勝敗に関わる重要ポジションで起用した。彼らが試合に出るので推しができたファンにはたまらない。それに推し活って、人が人を呼ぶらしいんですよ。『それほどハマる福永ってどんな選手なの?』って。球場に足を運ぶにつれて少しずつ細川成也や涌井秀章の渋かっこよさにも気づく。今の中日はそんな循環が回っています」
その日のバンテリンドームの対戦カードは中日とヤクルトだった。平日のナイター、客の入りは8割ほど。前日の豊橋市民球場に比べてやや空席が見られる。女性と男性の比率は4対6、あるいは5対5。年齢層はやはり幅広い。
人気ユニフォーム100人調査…1位は?
若狭氏が教えてくれた法則を思い出す。地元出身・若手・独身の選手が人気、は事実なのか。ファンが着る中日のユニフォームの選手名を数えた。
【バンテリンドーム来場者:ユニフォーム100人調査】
※☆が3条件(地元・若手・独身)に当てはまった選手
※愛知・岐阜・三重の東海3県を地元選手として計算
12人:岡林勇希(23歳/三重出身)☆
11人:細川成也(26歳/神奈川出身)
10人:高橋宏斗(22歳/愛知出身)☆
8人:ドアラ
7人:田中幹也(24歳/神奈川出身)
6人:石川昂弥(23歳/愛知出身)☆
6人:鵜飼航丞(25歳/愛知出身)☆
6人:大島洋平(39歳/愛知出身)
3人:涌井秀章(38歳/千葉出身)
3人:土田龍空(22歳/滋賀出身)
2人:大野雄大、上林誠知、高橋周平、藤嶋健人、金丸夢斗、堂上直倫
1人:根尾昂☆、中田翔、カリステなど16人
「立浪さんを悪く言う人、一人もいませんよ」
立浪がチームに残した「功」。前日の豊橋市民球場からの帰り道でタクシー運転手と交わした会話を思い出す。勝った試合後ということも手伝ったのだろう。ホクホクの口調から上機嫌がうかがえた。


