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中日ドラゴンズ“最大のナゾ”「なぜ3年連続最下位なのに観客数増?」前年比107%…名古屋で取材「あの落合博満時代“再来説”」「立浪さんのおかげ説」 

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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photograph bySankei Shimbun

posted2025/05/23 11:04

中日ドラゴンズ“最大のナゾ”「なぜ3年連続最下位なのに観客数増?」前年比107%…名古屋で取材「あの落合博満時代“再来説”」「立浪さんのおかげ説」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

昨季最終戦、満員のバンテリンドーム。3年連続最下位の中日ドラゴンズで観客数が伸び続けている

 中日は今、優勝候補に挙げられるような黄金期ではない。その逆だ。球団史上初の3年連続最下位――。暗黒期として記憶されるであろうチーム状況なのだ。

 じつを言えば、中日の地元で試合を見ることにためらいもあった。熱烈なファンが球場に押し寄せて過激なヤジを飛ばしているのではないか。殺伐とした空気が充満しているのではないか。そう想像していた。だが、違った。

 この現象はなぜ起きているのか。話を聞きたい人物がいた。CBCで中日応援番組『サンデードラゴンズ』の司会を昨年まで18年間つとめた名物アナウンサー、若狭敬一氏である。現在は夕方の情報番組「newsX」のメインキャスターで、東海地区で圧倒的な知名度をもつ大物だ。

若狭アナ「歯車が狂ったのは2013年でした…」

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 豊橋市民球場の試合翌日、バンテリンドーム近くにある「矢場とん」で話を聞くことができた。本格的な取材に入る前に、名物の味噌カツを注文する。

「中日特集ですか? うれしいですねぇ。最下位なのに取り上げていただいて。でもね、中日戦の視聴率、東海でいいんですよ。同時間帯視聴率でもだいたい1位を獲りますからね」

 その朗らかな人柄に甘える形で単刀直入に尋ねた。中日が3年連続最下位に陥った理由。にもかかわらず、なぜ人気が高まっているのか。

「まず中日の簡単な歴史から説明しましょう。チームの歯車が狂い始めたのは2013年でした」

 若狭氏の説明によればこうだ。かの落合博満が率いた2004年から2011年まで中日は黄金時代を迎える。落合在任8年間ですべてAクラス入り、4度のリーグ優勝、53年ぶりの日本一に輝く。チームを勝たせる。そこへゆくと落合は天才的だった。一方、勝ち続ける中でこんな事態も起こる。インセンティブを含む選手の年俸高騰、主力選手たちのピークアウト、さらには観戦者数の減少。

「勝つことに慣れてしまったんだと思います」。落合監督最終年の客入りも高水準ではあった。が、ピークの2008年から目減りした10%が取り沙汰されるようになった。

【次ページ】 「頭をボカーンと殴られたような…」

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