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プロ野球PRESSBACK NUMBER
中日ドラゴンズ“最大のナゾ”「なぜ3年連続最下位なのに観客数増?」前年比107%…名古屋で取材「あの落合博満時代“再来説”」「立浪さんのおかげ説」
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph bySankei Shimbun
posted2025/05/23 11:04
昨季最終戦、満員のバンテリンドーム。3年連続最下位の中日ドラゴンズで観客数が伸び続けている
「球団経営的にいっぱいいっぱいだったのでしょうね。落合さん退任直後は財産があったから勝てた。ですが、翌2013年が4位に。そのオフには落合さんがGMになり、超主力だった井端弘和が年俸1億9000万から3000万の大減俸を球団から掲示され、巨人に移籍するという事件も起こりました。コストカットの象徴でした」
2013年を境に低迷期へ入った。それまで当たり前の光景だったクライマックスシリーズ進出も、気づけば12球団で最も遠ざかっている。落合以降、高木守道、谷繁元信、森繁和、与田剛が立て直しを図るも状況は好転しなかった。
「頭をボカーンと殴られたような…」
中日は最後の切り札を切る。実績、ファンの人気、カリスマ性、そのすべてを有する男に頼った。
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「時が迫っている。少しずつ誕生の機運が高まっていったんです」
ドラゴンズの絶対的なスター、立浪和義の監督就任である。
若狭氏の口調に熱が帯びてくる。
「それはもう盛り上がりましたよ。立浪さん人気、名古屋で凄まじいですから。注目は段違いでした。ところが結果は3年連続の最下位。私だけじゃなかったと思います。頭をボカーンと殴られたような感じです。でも、こんなことも起きたんです」
ミステリーの謎解きのような論理展開、緩急の利いた話しぶりにこちらも思わず身を乗り出す。
「プロ野球監督なら誰しも功と罪がありますよね。たしかに立浪さん時代は苦しみました。勝てなかったことが“罪”かもしれない。でも功の部分も確かにあった。それが今の中日人気につながってくるわけです」
味噌ダレがふんだんにかけられたカツが冷めつつあった。

