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田中希実「異例の挑戦」の裏側で…“黄金世代のエース候補”ドルーリー朱瑛里(17歳)の現在地「選手としてだけじゃなく…人として成長したい」
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別府響Hibiki Beppu
photograph byNanae Suzuki
posted2025/05/19 17:01

ゴールデングランプリ1500mで2位に入った田中希実(New Balance)。高校生ながら唯一の出場となったドルーリー朱瑛里は貧血の影響があったという
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高校「歴代上位」の記録を持つ選手が続々と…
中学時代から全国的な実績があり、そのバックボーンも特徴的ということもあってか、ドルーリーや久保の活躍はメディアで取り上げられることも多い。
だが、実は今の10代選手には、2022年のU20世界選手権で6位入賞の経験を持つ澤田結弥(浜松市立高→ルイジアナ州立大)や、昨夏のインターハイ1500m日本人トップの穂岐山芽衣(山田高→シスメックス)など、田中の高校時代の記録を上回り、高校歴代でも上位に入るようなタイムを持つ原石が続々と登場している。その意味では、過去にない多士済々の時代になっているのだ。
今回のゴールデングランプリこそ10代の出場選手はドルーリーだけだったが、それぞれの選手が今後の大舞台を睨んで牙を研いでいるはずだ。
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「まずは体調を戻して、走りの部分でも課題がたくさん見つかりました。ここから先は日本選手権、インターハイと大きな大会があるので、しっかりとそこで自分の力を発揮できるように、自分が納得できるようなレースができるように、気持ちを切り替えて頑張りたいです」
今後の展望を聞かれると、ドルーリーはそんな風に真っすぐ前を見つめていた。
中距離「黄金世代」の可能性も秘める次世代のエース候補たち。
彼女たちは、独走状態のフロントランナーの背中に、どこまで近づくことができるだろうか?

