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「何が起きたのかわからない」史上最多のル・マン大観衆の前で地元フランスのザルコが独走優勝! 王者マルケスに大差をつけた“雨中のタイヤ選択” 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2025/05/14 17:00

「何が起きたのかわからない」史上最多のル・マン大観衆の前で地元フランスのザルコが独走優勝! 王者マルケスに大差をつけた“雨中のタイヤ選択”<Number Web> photograph by Satoshi Endo

地元フランスGPで優勝して歓喜のヨハン・ザルコ

“フラッグ・トゥ・フラッグ”導入の発端

 2輪のレースは、スリックタイヤが誕生した70年代以降、レース中に雨が降るとスリックタイヤでは危険なため赤旗中断としてきた。その時点で規定周回数以上を走行していればレースは成立。そうでないときは残り周回数で再スタートとなっていた。しかし、グランプリを運営統括するドルナ・スポーツは、メインレースのMotoGPクラスのテレビ放映をスムースに行うために、天候の変更による中断をなくし、レース中にマシンを乗り換えるという奇想天外なルールを発案し05年から実施。当時は誰もが「何を考えているんだ?」と憤慨したものだが、いまでは、それがあたりまえのルールとなっている。

 フランスGPは、その“フラッグ・トゥ・フラッグ”導入の発端になった大会のひとつでもある。MotoGPクラスで勝つ条件は、良いチーム、良いマシン、良いライダーと言われてきたが、“フラッグ・トゥ・フラッグ”が採用されてからは、路面の変化に瞬時に対応していく高いライダースキル(マルク・マルケスが“フラッグ・トゥ・フラッグ”に強い理由)が求めらると同時に、「的確な判断」が勝敗を大きく分けることになった。

 予測不可能な天候だけに、「的確な判断」は、ある意味「運」という言葉に置き換えてもいいような気がするが、今年のフランスGPは、フランス人のザルコが優勝するという素晴らしい結末に終わった。表彰式が終わるまで鳴り止まなかった大歓声。MotoGP史上最多の入場者数を記録した大会の大歓声にふさわしい盛り上がりだった。

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