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吉田麻也は8kg増、岡崎慎司は4kg増なのに…「体重は増やしてないです」クリスタルパレス鎌田大地が語る、“筋トレ増量”じゃない「評価の上げ方」 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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posted2025/05/14 17:23

吉田麻也は8kg増、岡崎慎司は4kg増なのに…「体重は増やしてないです」クリスタルパレス鎌田大地が語る、“筋トレ増量”じゃない「評価の上げ方」<Number Web> photograph by Getty Images

クリスタルパレス鎌田大地(28歳)。プレミアリーグ戦終盤にかけて、先発する試合が増えてきた

 また、2015年にドイツのマインツからレスターに加わった岡崎慎司氏も、肉体改造を行ったひとり。「奇跡のリーグ優勝」を成し遂げた加入1年目でイングランドサッカーの当たりの激しさに「驚いた」と言い、上半身を中心に体を鍛えた。ジムワークの成果として、体重を3~4キロ増したという。岡崎がユニホームを脱いだ際に目にした「胸筋と上腕筋」の逞しさに、プレミアで戦うことの過酷さを感じた。

 では、鎌田はどう感じているのか。こちらから「ドイツ、ベルギー、イタリアでプレーしてきましたが、フィジカルの強さに関してプレミアはまた違うと思います。鎌田選手は、どんな風に考えてますか。体は現状維持なのか、またはウェイトを増やした方がよいと感じているのでしょうか」と聞いてみると、鎌田はこう答えた。

「まず後ろ(=DF)の選手と前(=FWや攻撃的MF)の選手とは、状況がちょっと違うと思います。後ろと前の選手は、バチバチやらないといけないので。

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 ただアーセナルの選手を見ると、前の選手であっても体は大きくないですよね。後ろの選手はすごくガッチリしてますけど、アーセナルの場合は、前の選手のポジション取りがすごく上手い。チームとしてやっていることが他のチームと違うところがあるので、体の大きさはあまり関係ないと思う。一方、パレスのようなチームでやるには、ある程度フィジカルがないと前(=攻撃的な位置)ではできないし、僕自身もなかなか難しいと思う。なので、チームの戦い方次第かと思います。ブライトンやアーセナルなら、前にゴツい選手がいるわけでもないですし。つまり、(体を大きくするかどうかは)どのチームでやるかじゃないですか」

「体重は増やしていない」「Jリーグ→ドイツは苦戦しました」

 鎌田の言葉には説明が必要だろう。

 クリスタルパレスの基本フォーメーションは3−4−2−1。鎌田の場合は、中盤「2」の攻撃的MFと、中盤「4」のセントラルMFでプレー可能だ。しかし鎌田が頻繁に口にしているのは「パレスで10番(=攻撃的MF)としてプレーするのは難しい」との言葉。クリスタルパレスの攻撃的MFには、単独でドリブル突破を仕掛けたり、スピードに乗ってDFラインの背後に飛び出したり、前線の高い位置でボールを収めたりという役割があり、鎌田はそこに適性を感じていないという。そのため、クリスタルパレスでは「6番」の位置がベストポジションと考えている。

 鎌田は、もう少し踏み込んで言葉を続ける。論点は、「現代サッカー」と「日本人選手のフィジカル」。サッカーのモダン化がさらに進み、選手に求められるタスクや特性も変わってきたと、鎌田は語る。

「ウェイトを増やしたことは、今までないです。プレミアを見ると、大きくて強い選手、スピードのある選手が、もちろんたくさんいます。だけど、”当たり”のところで、日本人選手が競り合って勝てないとか、そういうのは今の時代は正直ないかなと思う。

【次ページ】 「Jリーグ→ドイツは苦戦しました」

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