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ボウ然の久保建英「ユニホームを噛んで悔しそうに」元相棒が最速ハットトリック…前半で白旗「ベンチでしばらく動けず」ソシエダに漂う“絶望”
posted2025/05/14 17:09

アトレティコ・マドリーとの一戦、久保建英とレアル・ソシエダはかつての戦友セルロートに粉砕された
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中島大介Daisuke Nakashima
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Daisuke Nakashima
ラ・リーガ35節、5月10日のアトレティコ・マドリー対レアル・ソシエダ戦を、翌11日にはバルセロナ対レアル・マドリーのエル・クラシコの現地撮影取材を行った。
「クボ…ゲームで使うからよく知ってるんだ」
久保建英が所属するソシエダは、勝ち星から見放されている。
「残りの試合数が少ないことがわかっている中で、引き分けには満足できません」
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前節、引き分けに終わったバスクダービー後の久保のコメントからは、来季欧州カップ戦出場権を獲得するという現チームの最大目標、そのためには引き分けすら許されない状況なのが感じ取れた。リーガ3位とアトレティコが格上であることを承知で、勝利を目指して今節を迎えたはずだったが……。
アトレティコのホームスタジアムであるリヤド・エア・メトロポリターノの場内では、アウェイながら久保のユニホームを着た少女ファンが大きく「Take」と叫ぶ姿があった。
またホームチームのユニホームを着ているものの、アップ中の久保が近づいた際にはブーイングではなく、久保というスター選手を目の当たりにして「Take」という歓声が上がっていた。日本ではウェブメディアによって〈久保移籍先の噂〉が流れているそうだが――アトレティコの少年ファンは、「ゲームで使うからよく知っているんだ」と答えてくれた。
アトレティコには、今季ソシエダから加入のロビン・ル・ノルマン、レンタルバックのハビ・ガラン、また久保のソシエダ初年度に攻撃のコンビを組んだセルロートが所属しており、久保との関係性の強さを感じさせる。
そしてこの試合のヒーローとなったのが、かつての相棒セルロートだった。
繰り返す失点、悔しさを宙にぶつける久保の姿が
試合の入りは、キックオフと共に前線から強いプレスに出るソシエダの勝利への意志の強さを感じさせていた。右サイドに入った久保も、相対するガランから〈ボールを奪うんだ!〉という強い意志と共に激しいコンタクトを見せた。
決して悪くない入りのように思われたが――前半7分、右サイドを突破されクロスが送られると、ボックス内には4人のソシエダ選手に対してアトレティコからはセルロートのみ。決して難しい対応ではなかったはずだが、ほぼフリーの状態でダイレクトで打たせてしまい先制点を奪われてしまう。