- #1
- #2
欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
吉田麻也は8kg増、岡崎慎司は4kg増なのに…「体重は増やしてないです」クリスタルパレス鎌田大地が語る、“筋トレ増量”じゃない「評価の上げ方」
text by

田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2025/05/14 17:23
クリスタルパレス鎌田大地(28歳)。プレミアリーグ戦終盤にかけて、先発する試合が増えてきた
シーズン序盤はレギュラー取りについて「なかなか難しい」と漏らしていたが、3−4−2−1のセントラルMFとして先発する試合が増えた。その要因はどこにあるのか。鎌田は説明する。
「チームとしてボールを保持したかったら、僕やアダム(・ウォートン)のような選手がいる方が効果はあると思う。ただ、シーズン序盤に勝ち点が取れなかった時に、チームがフィジカルサッカーをしていて、ロングスローもよくやっていた。そうなると、ロングスローを投げられる選手を置いたり、フィジカル系の選手を起用したり、セットプレー時に得点を狙える選手を置いたりとか、そういう起用法になった。
今もこのチームで、僕が10番(3−4−2−1の攻撃的MF)で出場するのは、すごく難しい。僕が出場している試合では、チームとして後ろからポゼッションを頑張ってやろうという風になっていると思います。だけど、10番としてやるのは難しいだろうなと、6番(=セントラルMF)で出た試合のピッチ内でも思いますから。
ADVERTISEMENT
なので、僕自身がプレミアに慣れてきたというより、パレスのサッカーにある程度慣れてきたから、と思っています。例えば、守備の部分。守備のプレスであまり行きすぎない。それよりもスペースを埋めることを重視しています。攻撃の時も(後ろで)陣形のバランスをとっています」
「吉田麻也8kg増、岡崎慎司4kg増だが…」
もうひとつ、鎌田に聞きたいことがあった。
プレミアリーグの代名詞は、「激しい接触プレー」である。球際の攻防は力強く、ファウルに見えるタックルでも、主審が「問題無し」と流すケースも少なくない。その結果、デュエルでのボールロストが失点に直結したり、前線の選手が相手DFの寄せに屈してボールを失う場面も多い。
それゆえ、欧州の選手に比べて体が小さいとされる日本人選手にとって、プレミアリーグは「鬼門」とされてきた。これまでプレミアリーグでしのぎを削ってきたサムライ戦士たちも、それぞれのやり方で努力を重ね、世界最高峰の舞台で戦ってきた。
例えば、サウサンプトンに8シーズン半在籍した吉田麻也。オランダのVVVフェンローから移籍してきた2012年当初はCBとして体の線が細かったが、レギュラーの座を掴んだ2017年ごろには体重が8キロ増えていた。
ポイントは、体のキレを損なわないよう工夫をこらしたこと。俊敏性を保ちつつ、時間をかけて接触プレーに負けない”鋼の体”を作った。

